江口 聡
| 臨床心理学研究科 臨床心理学専攻(専門職学位課程) | 講師 |
Last Updated :2025/10/28
■研究者基本情報
■経歴
■研究活動情報
論文
- 統合失調症の早期介入についての検討―認知機能障害の特徴とメタ認知トレーニングを用いた心理的介入の観点から-(博士論文)
江口聡
2023年03月, [査読有り] - Genetic influences on prefrontal activation during a verbal fluency task in children: A twin study using near-infrared spectroscopy.
Eisuke Sakakibara; Ryu Takizawa; Yuki Kawakubo; Hitoshi Kuwabara; Toshiaki Kono; Kasumi Hamada; Shiho Okuhata; Satoshi Eguchi; Ayaka Ishii-Takahashi; Kiyoto Kasai
Brain and behavior, 2018年06月 - Identifying neurocognitive markers for outcome prediction of global functioning in individuals with first-episode and ultra-high-risk for psychosis.
Kingo Sawada; Akiko Kanehara; Eisuke Sakakibara; Satoshi Eguchi; Mariko Tada; Yoshihiro Satomura; Motomu Suga; Shinsuke Koike; Kiyoto Kasai
Psychiatry and clinical neurosciences, 2017年05月 - Psychological symptom and social functioning subscales of the modified Global Assessment of Functioning scale: reliability and validity of the Japanese version.
Satoshi Eguchi; Shinsuke Koike; Motomu Suga; Ryu Takizawa; Kiyoto Kasai
Psychiatry and clinical neurosciences, 2015年02月 - Genetic influences on prefrontal activation during a verbal fluency task in adults: a twin study based on multichannel near-infrared spectroscopy.
Eisuke Sakakibara; Ryu Takizawa; Yukika Nishimura; Shingo Kawasaki; Yoshihiro Satomura; Akihide Kinoshita; Shinsuke Koike; Kohei Marumo; Masaru Kinou; Mamoru Tochigi; Nao Nishida; Katsushi Tokunaga; Satoshi Eguchi; Syudo Yamasaki; Tatsunobu Natsubori; Norichika Iwashiro; Hideyuki Inoue; Yosuke Takano; Kunio Takei; Motomu Suga; Hidenori Yamasue; Junko Matsubayashi; Kenji Kohata; Chie Shimojo; Shiho Okuhata; Toshiaki Kono; Hitoshi Kuwabara; Ayaka Ishii-Takahashi; Yuki Kawakubo; Kiyoto Kasai
NeuroImage, 2014年01月15日 - Criterion and construct validity of the CogState Schizophrenia Battery in Japanese patients with schizophrenia.
Taisuke Yoshida; Motomu Suga; Kunimasa Arima; Yasuko Muranaka; Tsunehiko Tanaka; Satoshi Eguchi; Crystal Lin; Sumiko Yoshida; Masanori Ishikawa; Yuko Higuchi; Tomonori Seo; Yoshinori Ueoka; Masahito Tomotake; Yasuhiro Kaneda; David Darby; Paul Maruff; Masaomi Iyo; Kiyoto Kasai; Teruhiko Higuchi; Tomiki Sumiyoshi; Tetsuro Ohmori; Kiyohisa Takahashi; Kenji Hashimoto
PloS one, 2011年
MISC
- 統合失調症患者を対象としたメタ認知トレーニング効果の予備的検討
江口聡; 里村嘉弘; 山崎修道; 市川絵梨子; 夏堀龍暢; 管心; 清水希実子; 石橋綾; 矢島明佳; 東山美恵; 株元麻美; 竹下保稔; 金原明子; 神出誠一郎; 笠井清登
精神科治療学, 2023年 - 成人の自閉スペクトラム症の特徴と心理教育 : 心理検査からの特徴—第59回日本児童青年精神医学会総会特集(3)こころの発達を支える : 素質と環境との相互作用の中で ; 成人の発達障害セミナー 成人自閉スペクトラム症の特徴と心理教育
江口 聡
児童青年精神医学とその近接領域 = Japanese journal of child and adolescent psychiatry : 日本児童青年精神医学会誌, 2019年
[京都] : 日本児童青年精神医学会 - 早期精神病に対する機能的アウトカムの予測における神経心理検査の有用性の検討
澤田欣吾; 松岡潤; 永井達哉; 里村嘉弘; 多田真理子; 江口聡; 市川絵梨子; 下條千恵; 管心; 小池進介; 笠井清登
統合失調症研究, 2016年 - 東京大学医学部附属病院におけるメタ認知訓練法の効果について
江口聡; 山崎修道; 吉原美沙紀; 矢島明佳; 清水希実子; 石橋綾; 飯田美恵; 竹下保稔; 株元麻美; 夏堀龍暢; 管心; 笠井清登
統合失調症研究, 2016年 - 外来統合失調症患者に対するメタ認知訓練法
江口聡; 管心; 管心; 山崎修道; 滝沢龍; 夏堀龍暢; 吉原美沙紀; 清水希実子; 石橋綾; 矢島明佳; 株元麻美; 飯田美恵; 竹下保稔; 塩原裕理; 笠井清登
統合失調症研究, 2015年 - 精神病症状に対するメタ認知訓練法の実施少数例の結果の予備的な検討
夏堀龍暢; 山崎修道; 滝沢龍; 岡村由美子; 江口聡; 成松由美; 下條千恵; 安藤俊太郎; 菊次彩; 市川絵梨子; 小野由美子; 笠井清登
統合失調症研究, 2012年 - 双生児研究法による近赤外線スペクトロスコピーの前頭側頭部血流変化における遺伝的要因の検討
榊原英輔; 榊原英輔; 滝沢龍; 西村幸香; 木納賢; 丸茂浩平; 山崎修道; 江口聡; 武井邦夫; 井上秀之; 管心; 山末英典; 川久保友紀; 笠井清登
統合失調症研究, 2012年 - 精神科デイケアにおけるアウトリーチ支援を生かした就学支援の取り組み~東大デイホスピタルの実践から~
石橋綾; 藤枝由美子; 清水希実子; 山崎修道; 江口聡; 飯田美恵; 林里織; 柴田貴美子; 管心; 古川俊一
統合失調症研究, 2012年 - 統合失調症認知評価尺度を用いた精神病発症前後における予後予測因子の検討
管心; 小池進介; 高野洋輔; 里村嘉弘; 岩白訓周; 多田真理子; 夏堀龍暢; 永井達哉; 江口聡; 下條千恵; 山崎修道; 荒木剛; 笠井清登
統合失調症研究, 2012年 - CogState統合失調症バッテリー日本語版の妥当性
吉田泰介; 吉田泰介; 管心; 有馬邦正; 村中泰子; 田中恒彦; 江口聡; リン クリスタル; 吉田寿美子; 石川正憲; 樋口悠子; 瀬尾友徳; 上岡義典; 友竹正人; 兼田康宏; ダービー ディビッド; マルフ ポール; 伊豫雅臣; 笠井清登; 樋口輝彦; 住吉太幹; 大森哲郎; 高橋清久; 橋本謙二
日本生物学的精神医学会誌, 2011年 - 統合失調症認知評価尺度-日本語版(SCoRS-J)による認知機能評価に対する臨床病期の影響(第2報)
瀬尾友徳; 管心; 樋口悠子; 山崎修道; 植月美希; 植月美希; 江口聡; 松岡理; 宮西和広; 鈴木道雄; 兼田康宏; 笠井清登; 住吉太幹
統合失調症研究, 2011年
共同研究・競争的資金等の研究課題
- 自閉症スペクトラム障害のある成人の発達障害検査入院における心理教育の効果検証研究
奨励研究
東京大学
2017年 - 2017年
近年、一般の精神科で成人になって診断される自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠如多動性障害(ADHD)が多く存在していると報告されている(Lehnhardt et al, 2012)。また、仲間からの孤立、疎外感や自信喪失等から二次的な障害を引き起こしやすく、気分障害や不安障害などの合併も多いことが報告されている(Joshi et al, 2010)。当院では成人で発達障害が疑われる方に対して、「発達障害検査入院」として発達障害としての診断、併存疾患の有無、本人の特性や今後についての心理教育を実施している。今回は、当院でASDと診断された方を対象にASDの心理検査の特徴と、それを受けて心理教育プログラムの効果について検討した。
心理検査の結果としては、自記式のCES-Dにおいて気分障害圏に属するものが全体の76%、STAIで特性不安に該当するものが全体66%であった。しかし、ASDとの併存疾患で気分性障害と診断されたのは22%、不安障害と診断されたのは17%であった。認知機能の検査においては、WAISの群指数において言語理解が最も高く、処理速度が最も低い結果となった。WAISにおいて、言語理解は高いが、抽象的な概念の理解が難しい方が多い傾向が見られた。これについてはSCTやP-Fスタディを行うことが難しく、かなり時間がかかる方が多かったことについても抽象的な思考の難しさがあるのではないかと考えられる。予後調査では、自分の特性を知り具体的に動いている(「復職」、「休職」、「移行支援事業所の利用」、「社会参加」、「勉強」等)、ということが多く見られた。
以上のことから、成人のASDにおいて認知的な傾向がある可能性が示唆された。また、一方で、行動を制止的にしてしまう要因に関わる可能性のある不安や抑うつ感を強く感じているものが多い。外来において、うつや不安を主訴に来院した場合に、その主訴のみではなくASDについて考慮することは重要だと考える。また、抽象的な思考の苦手さ、不安や抑うつが高いことによる行動制止の可能性から、診断だけでなく、具体的な心理教育を行うことが重要であると考えられ、診断を伝え、具体的な心理教育を行うことで、本人たちの生活が改善する可能性があると考える。 - 自閉症スペクトラム障害のある成人の発達障害検査入院に関する効果検証研究
奨励研究
東京大学
2016年 - 2016年
近年、一般の精神科で成人になって診断される自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠如多動性障害(ADHD)が多く存在していると報告されており(Lehnhardt et al, 2012)、二次的に生じる問題から不安や抑うつを感じる方が多いと報告されている(Joshi et al, 2010)。当院では成人で発達障害が疑われる方に対して、「発達障害検査入院プログラム」として発達障害としての診断、併存疾患の有無、本人の特性や今後についての心理教育を実施している。今回は、当院でASDと診断された方を対象にASDの心理検査の特徴について検討した。
対象は、プログラム利用者でASDと診断された60名の心理検査の結果について検討した。
心理検査の結果としては、自記式のCES-Dにおいて気分障害圏に属するものが全体の76%、STAIで特性不安に該当するものが全体66%であった。しかし、ASDとの併存疾患で気分性障害と診断されたのは22%、不安障害と診断されたのは17%であった。認知機能の検査においては、WAISの群指数において言語理解が最も高く、処理速度が最も低い結果となった。また、CPTでは視覚刺激に対する注意指標において46%が平均から1SD以上であった。
以上のことから、成人のASDにおいて自覚的な状態と、他者評価との違いが生じることも考えられる。外来において、うつや不安を主訴に来院した場合に、その主訴のみではなくASDについて考慮することは重要だと考える。また認知的機能において、一定の特徴が見られていることが考えられる。
本研究の今後の発展としては、認知的な特徴をより詳細に検討することと、実施したプログラムから、診断だけでなく、具体的な心理教育を行うことがその後の本人たちの生活が改善する可能性が示唆されただめ、心理教育の効果についての検証が挙げられると考える。
本研究については、第9回不安症学会で発表を行い、若手優秀演題賞を受賞した。 - デイケアにおける統合失調症患者を対象としたメタ認知療法の効果研究
奨励研究
東京大学
2014年04月01日 - 2015年03月31日
メタ認知トレーニング(以下MCT)は、Moritzらにより開発された認知行動療法を基礎とする心理教育・心理介入技法である。MCTは統合失調症によく見られる認知的エラーや問題解決のバイアスに焦点を当てた8つのモジュールから構成されている。その有効性については、Moritzらの研究で示されている。
H26年度は東京大学医学部附属病院精神神経科に通院中の22名の統合失調症患者に対して、MCTを実施した。各セッション後に被験者の感想を聴取し、KJ法を用いて感想の分類を行った。また、実施前および実施後に社会機能、精神症状、メタ認知、自己意識に関する自己記入・他者記入の質問紙を行い、統計的解析を行った。被験者の感想については、「認知バイアス理解因子」、「自己洞察因子」、「対処因子」に分類された。MCT施行前後の結果については、他者記入式のGAF、PANSS陽性症状、PANSS総合精神病理、PANSS陽性尺度(5 factor model)、PANSS陰性尺度(5 factor model)、PANSS core delusion scoreにおいて有意な改善が認められた。また、自己記入式では自尊心において有意な改善が認められた。
本研究は、先行研究と同様に陽性症状への効果が確認された。一方で、Moritz et al. (2014)の報告で示された3年後の自尊心の改善が、MCT直後の結果として確認された。同時に、陰性症状の改善もMCT直後で確認されている。感想の分析から、対象者に「認知バイアス理解-自己洞察-対処」の意識があることが考えられる。また、自尊心の改善から、自発的に社会に働きかけることが陰性症状の改善につながり、従来MCTの報告で示された陽性症状の改善と並行して見られた可能性が考えられる。本研究で得られた知見は臨床群のみの介入研究であるため、今後は対照群を設定し、その効果について検討する必要があると考える。
結果の詳細については、第10回日本統合失調症学会にて発表を行った。