八代田 英樹

薬学部 薬学科教授
薬学研究科 薬学専攻教授
Last Updated :2025/10/07

■研究者基本情報

学位

  • 博士(理学), 東京大学

研究分野

  • ライフサイエンス, 分子生物学

■経歴

経歴

  • 2023年04月 - 現在
    帝京平成大学, 薬学部 薬学科
  • 2008年02月 - 2023年03月
    東京大学, 大学院薬学系研究科
  • 1998年04月 - 2008年01月
    公益財団法人東京都医学総合研究所
  • 1995年04月 - 1998年03月
    日本学術振興会特別研究員DC1

学歴

  • 東京大学理学部植物学専攻
  • 東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻

■研究活動情報

論文

MISC

所属学協会

  • 2024年04月 - 現在
    日本薬学会               
  • 2011年09月 - 現在
    酵母細胞研究会               
  • 2011年05月 - 現在
    日本生化学会               
  • 2009年04月 - 現在
    酵母遺伝学フォーラム               
  • 1994年 - 現在
    日本分子生物学会               

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 化学遺伝学的データを用いた新規プロテアソーム阻害剤の探索
    基盤研究(C)
    東京大学
    2023年04月01日 - 2026年03月31日
  • リボソーム生合成因子がプロテアソーム形成を制御する機構を解明する
    基盤研究(C)
    東京大学
    2016年04月01日 - 2019年03月31日
    プロテアソームに関連する新しい遺伝子として出芽酵母TIF6を単離した。Tif6はリボソーム合成に関わる遺伝子である。TIF6の変異体は1)アミノ酸アナログ感受性、2)プロテアソームによって分解されるモデル基質の分解遅延、3)プロテアソーム変異との二重変異による合成増殖遅延を示す。Tif6は保存性の高いタンパク質でヒトのオルソログはeIF6である(70%以上同一)。そこでeIF6とプロテアソームとの関係を調べてみると、eIF6のノックダウンによりプロテアソーム形成が阻害されることがわかった。またeIF6とプロテアソームサブユニットのいくつかは酵母ツーハイブリッド法で結合することが示唆された。
  • 真核生物でプロテアソームが増殖に必須な理由
    基盤研究(C)
    東京大学
    2012年04月01日 - 2015年03月31日
    26Sプロテアソームは真核生物のタンパク質分解酵素複合体で出芽酵母からヒトにまで高度に保存されている。真核生物において26Sプロテアソームは増殖に必須であるが、その理由は詳しくわかっていない。この理由を知るために1)原核生物のプロテアソームには存在せず、真核生物のプロテアソームにのみ存在するペプチダーゼ活性の解析、2)真核生物細胞に存在するミトコンドリアとの機能的関連、3)機能未知の26Sプロテアソームサブユニットの解析を行った。
  • プロテアソームに結合する蛋白質の探索と解析
    特定領域研究
    東京大学
    2009年 - 2010年
    26Sプロテアソームは分子量2.5MDaの巨大な蛋白質分解酵素で触媒サブユニットを含む20Sプロテアソームとユビキチン化蛋白質の認識や脱ユビキチン酵素を含む19S複合体により構成されている。26Sプロテアソームを構成する構成因子はほぼ確定したと考えられるが、26Sプロテアソームに一時的に結合する蛋白質や、特殊な状況でのみ相互作用すると思われる蛋白質は未だ数多く未解析のまま残されている。
    出芽酵母の前年度までに同定した機能未知プロテアソーム結合蛋白質Ypi31(Piclを改名)の解析を引き続き行った。Ypi31はヒトでやはりプロテアソーム結合蛋白質として同定されていたPI31と相同性を持つ。PI31はもともとプロテアソームの活性を阻害する蛋白質として同定されたが阻害活性はin vitroの実験系でのことであり生体内での本来の機能は明らかになっていない。出芽酵母Ypi31を細胞内で過剰発現させてもプロテアソームの機能を阻害しているような効果は見られなかった。一方、Ypi31の欠損はプロテアソーム形成シャペロンの1つとの欠損とで合成致死となることがわかった。このことはYpi31がプロテアソームの機能に対して阻害的ではなく正の方向に機能している事を示唆する。また,Ypi31は20Sプロテアソームに結合していることから19S制御因子とは異なる形で20Sの機能制御,もしくは機能変換を行っている可能性があるという知見も得られた。全体としては研究は順調に進んだ。
  • 正の選択を制御するペプチドの解析
    特定領域研究
    東京大学
    2008年 - 2009年
    適応免疫応答の中枢を担うT細胞は胸腺の中で増殖・分化するが、この際ランダムな遺伝子再編成により作り出された多様なT細胞の中から、有用な細胞のみを生存させる"正の選択(ポジティブセレクション)"と、自分の身体の成分と強く反応する細胞を消去する"負の選択(ネガティブセレクション)"の2段階の選択が行われる。これまで、胸腺髄質上皮細胞(mTEC)において組織特異的抗原を発現させる転写因子AIREの発見やmTECの分化に必要なシグナルの同定など負の選択の機構の理解は進んでいたが、胸腺皮質上皮細胞(cTEC)で行われる正の選択の具体的なメカニズムは殆ど不明であった。
    申請者らはcTECに特異的に発現するプロテアソームの新規触媒サブユニットβ5tおよび特異な酵素学的性質を持つ"胸腺プロテアソーム"を発見し、CD8^+ T細胞の分化に必須であることを見出した。プロテアソームによるタンパク質分解産物は主要組織適合性複合体(MHC)クラスIに提示される抗原ペプチドとして利用され、CD8^+細胞傷害性T細胞が自己と非自己を識別するための旗印となることから、胸腺プロテアソームが正の選択のための特別なペプチドレパートリーを作り出している可能性が強く示唆される。本年度はβ5tが胸腺特異的に発現する機構に関して解析を行った。まず、ルシフェラーゼアッセイを用いたプロモーター解析を行い胸腺特異的な発現に必要なプロモーター領域を同定した。次にβ5tを発現していない細胞でβ5tを発現させるような転写因子を探索し、候補蛋白質としてFoxN1を同定した。現在、cTEC細胞において実際にFoxN1がβ5tの発現に関与しているのかどうか検討中である。
  • プロテアソーム形成過程の解析
    若手研究(B)
    2007年 - 2008年
    出芽酵母を用いた遺伝学的解析により、プロテアソームによるタンパク質分解に異常を来す変異株を取得し、責任遺伝子を同定しDMP1, DMP2 (degradation of misfolded protein)と命名した。Dmp1 とDmp2 はヘテロ二量体を形成し、形成途上のプロテアソームの20S 複合体と一時的に会合することを明らかにした。DMP1,DMP2 欠損株では20S 複合体の形成が障害され、特に異常なαリングの形成が生じることから、正しいαリングの形成を支援することによりプロテアソームの形成を助けるシャペロン分子であることを明らかにした。
  • ユビキチンとプロテアソームによる蛋白質分解研究
    特別推進研究
    (財)東京都医学研究機構
    2001年 - 2005年
    プロテアソーム(真核生物のATP依存性プロテアーゼ複合体)はユビキチン(蛋白質分解のマーカー分子)で修飾された蛋白質を選択的に分解する大掛かりな細胞内装置であり,多様な生体反応を迅速に、順序よく、一過的にかつ一方向に決定する合理的な手段として生命科学の様々な領域で中心的な役割を果たしている。当該研究グループはユビキチン・プロテアソームシステム(UPS)について、分子から個体レベルまで四半世紀以上の長期間に亘り、包括的に研究してきた。さて本課題の"ユビキチンとプロテアソームによる蛋白質分解研究"におけるプロテアソーム研究にっいては、巨大な多成分複合体としての立体構造の解析、分子集合機構の解明(プロテアソーム会合シャペロンPAC1/2複合体の発見とHsp90の役割の解明)、活性化因子PA28αβγの免疫遺伝学的解析等をメインテーマとして行った。またユビキチン研究としては、細胞機能制御を司るユビキチン連結酵素(リガーゼ)についてParkin(家族性パーキンソン病の原因遺伝子産物),CHIP(シャペロン依存性リガーゼ),SCF^ファミリー(ERADに関わる糖鎖識別リガーゼ)に焦点をあて、その詳細な機能解析を行った。さらにオートファジー(自食作用)の発生工学的解析やユビキチン関連モディファイヤーシステムであるNEDD8・Ufm1に関する研究も併せて推進してきた。これらの研究成果は,生命の謎を解くためのヒントとなるばかりでなく、新しい生命科学の創成に連なることが期待される。そして細胞内におけるUPSの破綻が、21世紀の高齢化社会に入り急増している様々な重篤疾病(癌・神経変性疾患・自己免疫病等)の発症と関係する知見が増加の一途を辿っている現状を踏まえると、本研究成果は病気から健康を守る研究の基盤となると考えられる。
  • ユビキチン様蛋白質Rub1による細胞周期制御
    特定領域研究(A)
    (財)東京都医学研究機構
    2001年 - 2002年
    本年度は,最初にRub1(alias:NEDD8)の作用機構,即ち,Rub1によるSCFリガーゼ(細胞周期やシグナル伝達の制御に関与するユビキチンリガーゼ:Skp1-Cullin1-F-box protein-Roc1複合体)の活性化機構の解明を目指した.本研究ではSCFbTrCPの標的基質として我々が見出してきたIkBa(NF-kBの阻害分子)を使用した。このためIkBaのユビキチン化に必要な酵素系:IkBa,IKKb,ユビキチン,E1(Uba1),E2(Ubc4),E3(SCFbTrCP)とNEDD8システムの酵素系:NEDD8,E1(APP-BP1/Uba3のヘテロダイマー),E2(Ubc12),の全てをリコンビナントタンパク質として作製し、インビトロの再構成システムを構築した.これらを用いて解析した結果,Rub1のCul1修飾が,E2-ユビキチンをSCFへリクルートする機能を著しく増幅すること,即ち安定なE2-E3複合体の形成を促進することを突き止めた(EMBO J.20,4003-4012,2001)。このようにして長い間不明であったSCFの正の調節因子として作用するRub1システムの作用機構が解明された。さらにRub1システムの生理的意義を個体レベルで解析するために、Rub1の活性化酵素であるE1(APP-BP1/Uba3複合体)を構成する触媒サブユニットUba3をコードするマウス遺伝子を欠損させた。作製したノックアウトマウスは早期胎生致死になり、このモディファイヤーシステムが高等動物の個体発生においても必須な役割を果たしていることを明らかにした(J.Cell Biol.155,571-580,2001)。本研究から,最も主要なユビキチンリガーゼと見なされているSCFに巧妙な制御系が備わっていることが明らかとなった。
  • ユビキチンシステムにおけるPML蛋白質の機能解析
    基盤研究(C)
    2001年 - 2002年
    RING finger配列を有する蛋白質の1つであるPMLは,PODとよばれる細胞核内封入体を形成する.ヒト急性前骨髄球性白血病(APL)では,PML遺伝子と転写因子であるレチノイン酸レセプターα(RARα)遺伝子間の転座が高頻度におこる.APL治療において,レチノイン酸投与による前骨髄球分化誘導療法をおこなうとレチノイン酸刺激により何らかのシグナルが入りPOD構造が正常に戻り,PML-RARα融合蛋白質がユビキチン依存性選択的に分解される.しかし,レチノイン酸刺激によるユビキチン活性化の分子機構は,全く明らかになっていない.
    PML蛋白質と結合する他の核内蛋白質(Ret,HIF1-alpha)がPMLあるいはPML-RARα融合蛋白質に分解シグナルを与えるかどうかを検討するため,前骨髄球性白血病細胞HL-60細胞株あるいはヒト腎臓由来HEK293細胞株に遺伝子を導入し,レチノイン酸(あるいは亜ヒ酸ナトリウム)およびプロテアソーム阻害剤(MG132)存在下で蛋白質を発現させた.この細胞溶解液を抗PML抗体で免疫沈降したのち,抗PML抗体でイムノブロットしたところ,PML蛋白質およびPML-RARα融合蛋白質の分解には影響を与えなかった.また,亜ヒ酸ナトリウムを加え,組換えユビキチン,PML蛋白質,各組換えE2蛋白質の存在下でユビキチン再構成アッセイをおこなったが,特異的な蛋白質分解は認められなかった.しかしながら,レチノイン酸(あるいは亜ヒ酸ナトリウム)存在下でPMLを免疫沈降した結果,ポリSUMO化力塙度におこることがわかった.
    すなわち,結果としてPML蛋白質は典型的なRING fingerモチーフを持つにもかかわらず,ユビキチン経路におけるE3活性をもたないが,今後,PMLのSUMO化の増強に伴う細胞学的な変化を解析していく必要性がある.
  • 神経細胞変性とユビキチンープロテアソームシステム
    特定領域研究(C)
    (財)東京都医学研究機構
    2000年 - 2000年
    これまで、神経変性疾患における細胞内蛋白質分解機構の重要性は様々な状況から推測されていたが、確証は少なかった。我々は家族性パーキンソニズムの一種である常染色体劣性遺伝性若年性パーキンソニズム(AR-JP:autosomal recessive juvenile parkinsonism)の原因遺伝子産物Parkinの解析を行うことによって、この蛋白質がユビキチンリガーゼという細胞内蛋白質分解に必須の成分であることを見いだした。
    ユビキチンは,細胞内の蛋白質が破壊されるときにその標的蛋白質に選択的に結合して分解シグナルとなる分子で,このユビキチンによって修飾された蛋白質は,プロテアソームという細胞内蛋白質分解酵素によって認識され、分解処理される.この中で、ユビキチンリガーゼはユビキチンを標的蛋白質に連結させる反応を触媒することから,細胞内における選択的な蛋白質分解において最も重要な酵素と考えられている.
    今回の研究では、調べた限り全てのAR-JP患者にみられる変異型Parkinがこの機能を完全に喪失していることも見いだした.このことは、本神経変性疾患において、特定の蛋白質が分解されずにいることが、発症の原因となっていることを示唆している。従って、今後はAR-JPにおいて分解されなくなった蛋白質の検索を行う。そのなかで、どの蛋白質が神経細胞死を誘導するのかを明らかにする。また、他の神経変性疾患で観察されているある種の蛋白質の蓄積現象と蛋白質分解系との関連も調べたい。

■大学教育・資格等情報

主な担当授業科目名

  • 細胞生物学