山元 健太

薬学部 薬学科准教授
薬学研究科 薬学専攻准教授
Last Updated :2025/10/07

■研究者基本情報

学位

  • 博士(健康科学), 川崎医療福祉大学

研究分野

  • ライフサイエンス, 医療薬学
  • ライフサイエンス, 栄養学、健康科学

■研究活動情報

論文

MISC

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 糖尿病患者の心不全予防に対する運動とSGLT2阻害薬の併用効果
    基盤研究(C)
    帝京平成大学
    2023年04月01日 - 2026年03月31日
    運動は心不全の予防のみならず、その予後改善にも有効とされている。一方で、糖尿病治療薬であるSGLT2阻害薬は、血糖を下げる薬であるが、近年、心不全の予防効果や予後改善効果が確認され、2020年には慢性心不全患者への治療薬として承認された。本研究では、このSGLT2阻害薬と運動・身体活動の併用が心不全の発症をSGLT2阻害薬単独の効果よりさらに抑制するという仮説を検証する。
    2023年度は、2型糖尿病患者において、心不全発症に対する運動や身体活動とSGLT2阻害薬の併用効果を横断的に解析するとともに、心不全発症に影響を及ぼす他の要因の洗い出しを行った。解析対象は2型糖尿病と診断された663,191名とした。そのうちSGLT2阻害薬を服用していた患者は110,232名であった。SGLT2阻害薬を服用していた患者で心不全を発症していた患者は31%であった。SGLT2阻害薬服用患者において、運動習慣がある患者(心不全発症率30% vs. 31%)や身体活動のある患者(心不全発症率30% vs. 31%)では有意な発症率の低下が観察された。交絡因子調整後のオッズ比(95%信頼区間)は、運動習慣のある患者では0.94(0.91-0.97)と有意に低い値を示したが、身体活動の有無では心不全発症の差は見られなくなった(0.99(0.96-1.02))。また心不全発症に有意に関連した要因は、その関連の強い順から、高血圧、年齢、性別、他の糖尿病治療薬の併用、脂質異常症、飲酒習慣、喫煙、腹囲、BMIであった。今後はこれらの結果を考慮して、心不全発症に対する運動や身体活動とSGLT2阻害薬の併用効果を縦断的に解析する。
  • 糖尿病患者の血糖管理に対する運動とSGLT2阻害薬の併用効果
    基盤研究(C)
    帝京平成大学
    2020年04月 - 2023年03月
    人間ドックデータベースによると、薬物療法を受けているⅡ型糖尿病患者の約50%しか、合併症予防のための血糖コントロール目標(HbA1c7%未満)を達成していない。運動は糖尿病の予防のみならず、その改善にも有効とされているが、運動と薬物療法の併用効果についての研究は非常に少ない。新しい糖尿病治療薬であるSGLT2阻害薬は、運動の効果には無い、尿中に糖を排泄させることで血糖を下げる薬である。本研究では、このSGLT2阻害薬と運動・身体活動の併用が血糖コントロール目標達成率に及ぼす影響を明らかにする。
    2020年度は、糖尿病治療薬を服用している患者において、血糖コントロール目標達成率に対する運動や身体活動とSGLT2阻害薬の併用効果(相互作用)を横断的に解析するとともに、血糖コントロール目標達成率と関連する他の要因の洗い出しを行った。解析対象は31,827名の糖尿病治療薬服用患者とした。そのうち、SGLT2阻害薬を服用していた患者は6,668名であった。SGLT2阻害薬を服用していた患者で血糖コントロール目標(HbA1c7%未満)を達成していた患者は51%であった。SGLT2服用患者において、運動習慣がある患者(目標達成率54%)や身体活動のある患者(目標達成率54%)では有意な達成率の増加が観察された。しかし、血圧や血中脂質などの他の要因を考慮すると、その有意差は無くなった。また、血糖コントロール目標達成に有意に関連した要因は、その関連の強い順から、糖尿病治療薬の薬剤併用数、ALT、AST、LDLコレステロール、γ-GTP、中性脂肪、収縮期血圧、高血圧治療薬の服用、性別、BMI、HDLコレステロール、年齢、服薬アドヒアランス、飲酒習慣であった。今後はこれらの結果を考慮して、血糖コントロール目標達成に対する運動や身体活動とSGLT2阻害薬の併用効果(相互作用)を縦断的に解析する。
  • 交感神経系を介した柔軟性体力と動脈硬化の関連機序
    若手研究(B)
    独立行政法人国立健康・栄養研究所
    2009年04月 - 2011年03月
    本研究課題は以下の仮説を検証した。(1)6ヶ月間のストレッチング介入は動脈硬化を抑制する。(2)柔軟性体力は交感神経系を介して動脈硬化と関連する。本研究結果から、(1)ストレッチングによる柔軟性体力の向上は加齢に伴う動脈の硬化を抑制すること、(2)この柔軟性体力と動脈硬化との関係は交感神経系によって介されない可能性が示唆された。本研究は柔軟性体力と動脈硬化度がなぜ関連するのかに関して答えを示すことができなかったが、柔軟性運動が循環器疾患に対する新たな予防戦略の一つに成りうる可能性を示した。
  • 有酸素性トレーニングに対する中心動脈の粘性および弾性の適応に関する研究
    若手研究(B)
    早稲田大学
    2009年 - 2010年
    本研究では、第1に心肺体力と中心動脈の粘弾性を、第2に有酸素性トレーニングが中心動脈の粘弾性に及ぼす影響を検討した。加齢に伴って増加する中心動脈の粘性は、心肺体力を高く保つことでその増加が押さえられることが明らかになった。しかしながら、実際に心肺体力を上げるために10週間の有酸素性トレーニングを行った結果、中心動脈の粘性に改善は見られなかった。したがって、10週間という短い期間でなく、比較的長期間の有酸素性トレーニングを実施することで、中心動脈の粘性が改善すると考えられる。
  • 柔軟性体力と動脈硬化
    若手研究(B)
    早稲田大学
    2007年04月 - 2009年03月
    本研究は、1)柔軟性と動脈硬化度との関係を、2)柔軟性と加齢に伴う動脈硬化との関係を検討した。その結果、横断研究から1)中高齢者において、体が硬い(柔軟性が低い)と血管も硬い(動脈硬化度が高い)こと、2)柔軟性が低いと加齢に伴う動脈の硬化が促進されること、縦断研究から3)柔軟性10cmの増加は血管年齢を約9歳若返らせる可能性が示唆された。

■大学教育・資格等情報

主な担当授業科目名

  • 解剖生理学Ⅱ

資格、免許

  • 1999年03月01日
    中学校教諭専修 保健体育
  • 1999年03月01日
    高等学校教諭専修 保健体育