小室 葉月
| ヒューマンケア学部 看護学科 | 講師 |
Last Updated :2025/10/07
■研究活動情報
共同研究・競争的資金等の研究課題
- 看護学実習における看護実践能力を評価する共通ルーブリックの開発
基盤研究(C)
順天堂大学
2023年04月01日 - 2026年03月31日
2023年度は、プレ調査として、現在までに発表されているルーブリックに関する論文の中から、基礎看護領域、成人領域の実習ルーブリックが掲載されているものを抽出して分析した。基礎と成人実習のルーブリックが掲載されている論文は、全12論文であり、基礎実習に関するものが5論文、成人領域のものが7論文であった。
これらのルーブリックはどのような目標を評価するものかについて、目標の分類とその評価基準について分析した。
基礎看護実習の目標は、【患者とのコミュニケーション】【患者に対する態度】【患者理解・アセスメント】【看護計画の立案】【看護の実施】【計画の評価】【看護学生としての態度】【自己の課題・看護の振り返り】の8カテゴリーに大別された。
成人看護実習のルーブリックは、急性期3論文、慢性期3論文、成人全般1論文であった。成人看護領域の実習目標は、基礎看護実習の目標と多くは等しいが、【多職種連携】が加わり、自らの看護の振り返りよりも看護とは何か、看護職の役割を考察する【看護の洞察】を行う目標となっていた。 これらの目標に対するルーブリックの分析を行ったところ、目標と表記が変わらないものと、具体的な行動としての評価基準の2通りがあった。
これらのプレ調査をと分析をもとに、実際の調査を行った後の分析方法について検討を行い、本調査に向けての倫理申請書を作成した。 - 働く若年女性のビンジドリンキングの実態調査と予防に向けた教育プログラムの開発
若手研究
帝京平成大学
2020年04月01日 - 2025年03月31日
本研究の目的は、日本の働く若年女性における“ビンジドリンキング”(一時的多量飲酒)の実態とその背景にある社会環境的要因や心理的要因などの諸要因について調査し、その結果を踏まえた効果的な予防教育プログラムを構築し、その有効性を検証することであるが、新型コロナウイルスの流行に際し、研究計画の一部の見直しを図る必要が生じた。具体的には、生活様式の変更(飲食店の閉鎖、会食の機会の減少等)に伴い、飲酒行動や社会環境的要因、心理的要因に変化がみられることから、アンケート項目の見直しを行う必要があった。また、感染予防対策の措置が必要となることから、アンケートやインタビューの実施方法の見直し(オンラインでの実施の可能性の探索等)も必要となった。
これらのことから、アンケート項目の検討、研究手法の検討のため、オンラインで、若年女性を対象としてライフスタイルの変化、飲酒行動の変化等に関する予備調査を実施し、研究手法の妥当性の検証を行った。この結果、オンラインでのアンケート、インタビューが実施可能であると考えられるため、手法について確定させた。今後アンケート調査、面接調査を実施予定である。 - 妥当性および信頼性の高い看護技術演習ルーブリックの特徴分析
基盤研究(C)
2019年04月01日 - 2023年03月31日
看護学実習に関するルーブリックの評価基準で使用されている動詞をタキソノミーに従って分類した。その結果、163個の動詞のうち、66.3%が認知領域、27%が情意領域、6.7%が精神運動領域に属するものであった。次に、演習または実習に関するルーブリックの評価尺度における段階の書き分けについて内容分析を行った。その結果、「項目数」「割合」「条件」「動詞変化」「助言量」の5つのパターンが抽出された。「項目数」「割合」「条件」のそれぞれパターンで演習のルーブリックを作成し、熟練評価者との相関分析を行った。その結果、最も相関が高いルーブリックは「割合」表記のもので、ICC(2, 2)=0.753であった。 - 子どものグリーフサポートの実践 ~死因とレジリエンスに焦点を当てた検証~
基盤研究(C)
2017年04月01日 - 2022年03月31日
死別体験の中でも事故・災害・自殺などで親を亡くした子どもはトラウマを抱えることがある。トラウマに対するケアは医療機関・保健所・児童相談所などと連携が必要である。
covid-19の感染拡大により、グリーフプログラムをリモートでの開催を試みた。経済的な問題によりICT環境の整っていない家族の参加が制限を受けた。
この2年で若い女性の自殺が増え、未就学児が母親を亡くすケースが増えた。従来、遺児支援は母子家庭を中心としたものが行われてきたが、今後は父子家庭への支援も視野に入れることが課題と考えられる。 - 過敏性腸症候群の網羅的メタボローム・遺伝子解析による原因物質の同定
挑戦的萌芽研究
東北大学
2015年04月01日 - 2018年03月31日
ストレス関連疾患の克服は現代社会における大きな課題である。過敏性腸症候群(IBS)はその解明に好適な疾患である。視床下部下垂体副腎皮質軸関連物質の遺伝子多型がストレスの影響を受け、蛋白・代謝産物を介してIBS病態に影響するという仮説を検証した。対象はIBS群と健常対照群である。対象から採血し、DNAを分離し、ゲノム分析を行った。遺伝子多型、主要症状と心理行動特性の関連を解析した。これらの遺伝子多型はIBSの表現型に直接には関連しないが、心理状態を介して影響していた。以上から、仮説が支持された。得られた結果は、ストレス関連疾患全般に拡張することが可能であり、科学的・社会的意義を示すものである。