後藤 芳邦

薬学部 薬学科准教授
薬学研究科 薬学専攻准教授
Last Updated :2025/10/07

■研究者基本情報

学位

  • 博士(農学), 東京農工大学大学院

研究キーワード

  • エキソソーム
  • セロトニン
  • 不安障害
  • アミノペプチダーゼ
  • 血圧調節
  • インターフェロン
  • LPS
  • 分泌
  • 貪食
  • マクロファージ
  • リポ多糖
  • 一酸化窒素
  • 一塩基多型
  • 基質特異性

研究分野

  • ライフサイエンス, 病態医化学
  • ライフサイエンス, 薬系衛生、生物化学
  • ライフサイエンス, 応用生物化学

■経歴

経歴

  • 2016年04月 - 現在
    帝京平成大学, 薬学部, 准教授
  • 2014年04月 - 2016年03月
    帝京平成大学, 薬学部, 講師
  • 2010年04月 - 2014年03月
    帝京平成大学, 薬学部, 助教
  • 2007年04月 - 2010年03月
    理化学研究所, 細胞生化学研究室, 基礎科学特別研究員

学歴

  • 2004年04月 - 2007年03月, 東京農工大学大学院, 連合農学研究科, 生物工学専攻

■研究活動情報

受賞

  • 2010年08月
    病態プロテアーゼ学会, 第14回日本病態プロテアーゼ学会学術集会 学会奨励賞
    マクロファージにおける脂肪細胞由来ロイシンアミノペプチダーゼの分泌機構
    後藤 芳邦

論文

MISC

所属学協会

  • 2022年 - 現在
    日本分子生物学会               
  • 日本生化学会               
  • 日本寄生虫学会               
  • 日本薬学会               

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • MHCクラスI抗原提示の機能不全が惹起する脳内セロトニン過剰疾患「不安障害」
    基盤研究(C)
    帝京平成大学
    2022年04月01日 - 2025年03月31日
  • アミノペプチダーゼ機能不全に伴うセロトニン合成神経異常と不安障害発症機構の解明
    基盤研究(C)
    帝京平成大学
    2019年04月01日 - 2022年03月31日
    小胞体アミノペプチダーゼ(ERAP1)遺伝子欠損マウスから神経幹細胞を単離し、その性状を野生型細胞と比較したところ、本遺伝子欠損がセロトニン合成遺伝子の発現を亢進することを見出した。加えて、上記遺伝子欠損細胞を神経細胞へと分化させたところ、神経突起の形成不全を引き起こした。以上の結果は、ERAP1がセロトニン合成と細胞分化という別個の神経機能を制御していることを示唆する。また、この現象は、同マウスの脳内で観察されたセロトニン神経の性状と一致した。
    ERAP1には2つのタイプ(分泌型と小胞体局在型)が存在する。そこで次に、両者のセロトニン合成遺伝子への影響について検討した。神経幹細胞の培養液中にアミノペプチダーゼ阻害剤を添加した結果、阻害剤は上記合成遺伝子の発現には影響を及ぼさなかった。ERAP1遺伝子欠損神経幹細胞上でERAP1遺伝子を一過的に発現したところ、セロトニン合成遺伝子の発現量が野生型細胞のように抑制されることが分かった。一方で、失活させた変異体ERAP1を発現させてもこのような現象が認められなかった。以上の結果を統合すると、セロトニン合成遺伝子の発現抑制には内在性ERAP1の酵素活性が重要であることが示唆された。


    また、本研究過程で計画では予期しえなかった結果が得られた。ERAP1の類縁酵素であり、免疫において本酵素と協調的に働くP-LAPは、脳内のいくつかの神経核において、基質であるバソプレシンと共局在していた。さらにP-LAPの発現は概日リズムを有しており、バソプレシンのそれとは逆位相を示すことを明らかにした。ERAP1発現リズムの有無については、まだ確認できていないが、このようなアミノペプチダーゼのリズミックな発現は、情動が概日的に制御されうる根拠の一つとなりうる。
  • エキソソームによる粘膜免疫賦活機構の解明
    基盤研究(C)
    帝京平成大学
    2016年10月21日 - 2019年03月31日
    免疫関連タンパク質のDPP IV、IgA、唾液タンパク質のムチン5B、口腔内細菌由来のLPSは、ヒト唾液由来エキソソーム表面に緩く相互作用している。これら表面分子のうちムチン5Bは消化酵素で分解され、IgAおよびLPSの大部分はゲルろ過クロマトグラフィーによりエキソソーム表面から剥がれるが、一部は強固に結合していた。表面分子を除去したエキソソームはマクロファージからのNO産生を増強させた。本作用には膜貫通タンパク質であるDPP IVがLPSと協調している可能性を見いだした。唾液由来の粘膜免疫エキソソームは口腔内では免疫系の過剰な活性化を抑制し、消化管内では免疫系の活性化に関与する可能性がある。
  • アミノペプチダーゼを介したベーチェット病発症機構の解明と治療基盤の構築
    基盤研究(C)
    帝京平成大学
    2016年04月01日 - 2019年03月31日
    炎症性疾患であるベーチェット病の発症に小胞体アミノペプチダーゼ1(ERAP1)が関与することが報告されている。そこで、ERAP1による炎症誘発機構の解明を目指した。大腸菌由来リポ多糖の腹腔投与によって、ブドウ膜炎を誘発させたマウスでは、刺激に伴って血中に分泌されたERAP1がArgの産生を介して一酸化窒素(NO)の合成を促進することを明らかにした。また、分泌ERAP1は、古典的活性化マクロファージ由来のエキソソームと協調してマクロファージのNO合成や貪食を活性化させることを見出した。以上より、感染刺激などによって分泌されたERAP1がマクロファージの活性化を介して炎症を誘発すると考えられた。
  • 小胞体アミノペプチダーゼの双極性障害発症への関与-モデル動物としての評価・確立-
    挑戦的萌芽研究
    帝京平成大学
    2015年04月01日 - 2017年03月31日
    小胞体アミノペプチダーゼ(ERAP)1が精神疾患様の表現型を示すことから、その詳細の検討を目指した。各種の薬理学的測定法(尾懸垂試験、強制水泳、高架式十字迷路試験、社会的相互作用試験)を行った結果、ERAP1ノックアウトマウスはその野生型と比較して、顕著なストレス応答性の低下および不安レベルの亢進が認められた。その要因を探索するため、各種神経伝達物質の脳内量を測定した結果、セロトニン含量の増加が観察された。さらにその原因はセロトニン合成系の亢進であることが確認された。
    これらの結果はERAP1が特定の精神疾患の発症に関与しうることを強く示唆している。
  • アミノペプチダーゼ内包エキソソームによる免疫活性化カスケードの分子機構とその制御
    基盤研究(C)
    帝京平成大学
    2013年04月01日 - 2016年03月31日
    ヒトの唾液中にはジぺプチジルペプチダーゼ4(DPP IV)を豊富に含有する膜小胞(DPP IV-エキソソーム:DPP4exo)とDPP IV-非含有エキソソーム(dDPP4exo)が存在する。DPP4exoは細菌に由来するリポ多糖(LPS)を豊富に含み、その一部はエキソソーム表面に強く結合している。DPP4exoは単独ではマクロファージの活性化作用はないが、インターフェロン-γ(IFN-γ)添加で強いNO産生作用を示す。dDPP4exoはIFN-γ添加時もNO産生を起こさない。DPP4exoは口腔内の細菌感染などの炎症時にIFN-γ濃度の上昇に伴って、NO産生を起こすと考えられる。
  • M1アミノペプチダーゼ機能異常と自己免疫疾患病態の分子機構
    基盤研究(B)
    帝京平成大学
    2013年04月01日 - 2016年03月31日
    小胞体アミノペプチダーゼ(ERAP1)の分泌機構を解析した。その結果、感染により複数のサイトカインがマクロファージに発現誘導され、それらが相乗的に作用することによることが明らかになった。また分泌されたERAP1は一酸化窒素の産生を個体レベルで誘導することが、ノックアウトマウスを用いた検討の結果明らかとなった。したがってERAP1が生体防御において重要であるとともに、エンドトキシンショックのメディエーターとも成りうる可能性が示唆された。
    またERAP1の阻害剤を検索した結果、良好なIC50値を有する候補化合物の同定に成功した。今後本化合物をシードとして検討していく予定である。
  • マクロファージ古典的活性化のキーとなる小胞体アミノペプチダーゼの分泌とその制御
    若手研究(B)
    帝京平成大学
    2012年04月01日 - 2015年03月31日
    最近、私たちは小胞体アミノペプチダーゼ1(ERAP1)がマクロファージにおいて細菌由来のリポ多糖刺激に伴い小胞体から細胞外へと分泌され、貪食活性を亢進することを明らかにした。本研究では、ERAP1の分泌がリポ多糖だけではなく、様々な細菌・ウイルス構成因子によって惹起されることや、ERAP1分泌を直接引き起こす下流の因子(TNF-αとIFN-β)の同定に成功した。また、ERAP1の小胞体貯留/分泌のスイッチングに関与しうるドメインの同定やERAP1が複合体を形成し、マクロファージの貪食活性亢進に寄与することを明らかにした。
  • アミノペプチダーゼの動脈硬化症への関与
    挑戦的萌芽研究
    帝京平成大学
    2012年04月 - 2014年03月
    小胞体アミノペプチダーゼ(ERAP1)はインターフェロン(IFN)-γ およびリポ多糖(LPS)処理によりマクロファージから分泌される。このことは、分泌されたERAP1が血液中の血管作動性物質に作用し、血圧を調節している可能性を示している。
    ERAP1の分泌機構を検討した結果、IFN-γ およびLPS処理により発現誘導されるIFN-β等のサイトカインが細胞内カルシウム濃度を上昇させることが重要であることが示された。また分泌されたERAP1がアンジオテンシンII などN-末端にアルギニンを有するペプチドに作用し、一酸化窒素を産生することで血圧調節に関与しうることも示された。
  • 脂肪細胞由来ロイシンアミノペプチダーゼの分泌を介した血圧調節機構の解明
    若手研究(B)
    2009年04月 - 2011年03月
    脂肪細胞由来ロイシンアミノペプチダーゼ(A-LAP)は、血圧調節に関与するとされている。本研究では、小胞体内腔に局在する本酵素が如何にして血圧を調節するのかについては明らかにすることを目的とした。マクロファージをインターフェロン-γおよびリポ多糖で刺激するとA-LAPが細胞外へと分泌されることを発見した。そして、分泌型A-LAPが細胞外でアンギオテンシンIIIなどからアルギニンを遊離させ、降圧物質である一酸化窒素の原料として細胞に供給していることを示した。
  • 多機能性プロテアーゼ、オキシトシナーゼサブファミリーの作用メカニズム研究
    基盤研究(B)
    独立行政法人理化学研究所
    2006年 - 2008年
    本研究において私たちは妊娠の維持、記憶の維持、血圧調節、ガン細胞の増殖制御、抗原ペプチドのプロセシングなどその生理的/病理的重要性が明らかとなってきたオキシトシナーゼサブファミリーを含むM1アミノペプチダーゼ酵素の反応を点変異体を用いて解析し、M1酵素の基質特異性を決定している残基を同定することに成功した。これらの成果はM1酵素の反応機構および基質結合部位の構造を解明し、M1酵素を標的する医薬品を開発するうえで重要な知見を与えると考えられる。
  • 脂肪細胞由来ロイシンアミノペプチダーゼの分泌を介した新規血圧調節作用の機構解明と高血圧療法への応用               
    2008年

■業績リスト

経歴

  • 2022年 - 2024年
    明治大学, 農学部生命科学科, 兼任講師
  • 2007年04月
    理化学研究所基礎科学特別研究員(平成22年3月まで)
  • 2016年04月
    帝京平成大学薬学部薬学科 准教授(現在に至る)

委員歴

  • Review Editor (Frontiers in Immunology )
    2021年 - 2025年, Fronteirs

受賞歴

  • 第14回日本病態プロテアーゼ学会 ポスター講演奨励賞
    2009年08月

■大学教育・資格等情報

主な担当授業科目名

  • 生化学Ⅱ