富田 幸子

健康医療スポーツ学部 医療スポーツ学科 動物医療コース教授
Last Updated :2025/10/07

■研究者基本情報

学位

  • 医学博士, 東京女子医科大学, 1990年03月

研究キーワード

  • 心臓の形態形成
  • 発生生物学

研究分野

  • ライフサイエンス, 胎児医学、小児成育学
  • ライフサイエンス, 解剖学
  • ライフサイエンス, 発生生物学

■経歴

経歴

  • 2025年04月
    帝京平成大学
  • 2015年 - 2025年
    ヤマザキ動物看護大学
  • 2010年 - 2015年
    東京女子医科大学総合研究所, 心血管発生分化制御研究部門, 部門長
  • 1989年 - 2015年
    東京女子医科大学, 循環器小児科
  • 2007年 - 2008年
    パリ パスツール研究所, 分子発生生物学部門, サバティカルフェロー

■研究活動情報

論文

MISC

書籍等出版物

  • Endothelin receptor type A-expressing cell population in the inflow tract contributes to chamber formation. (共著)               
    Asai R
    Etiology and morphogenesis of congenital heart disease. . Springer, 2016年
  • The role of the thyroid in the developing heart(共著)               
    Maeda K
    Etiology and morphogenesis of congenital heart disease. Springer, 2016年
  • The “cardiac neural crest” concept revisited (共著)               
    宮川-富田 幸子
    Etiology and morphogenesis of congenital heart disease. Springer, 2016年
  • 心臓形態形成とその異常。               
    1999年
  • Cardiogenesis and the anomalies.               
    Veterinary Medical Care Handbook-The Latest Review-.Interzoo,Tokyo,Japan, 1999年
  • レチノイン酸と発達心 臨床発達心臓病学、第2版(共著)               
    中外医学社, 1997年
  • 刺激伝導系の発達 臨床発達心臓病学、第2版(共著)               
    中外医学社, 1997年
  • 心臓の発生と発達を制御する分子経路(共著) 臨床発達心臓病学、第2版               
    中外医学社, 1997年
  • 岩波生物学辞典第4版(共著)               
    1996年
  • 心奇形発生のメカニズムは(共著)               
    先天性心疾患・小児の心疾患,循環器Now南江堂, 1995年
  • Functional characteristics of the embryonic heart.(共著)               
    Developmental Mechanisms of Heart Disease.Futura,New York, 1995年
  • Functional characteristics of the embryonic heart. Developmental Mechanisms of Heart Disease.               
    Fututa, New York, 1995年
  • Animal models of visceroatrial heterotaxy syndrome in the rodents. (共著)Developmental Mechanisms of Heart Disease.               
    Futura, New York, 1995年
  • Morphological study of the inv situs inversus mutant mouse. (共著)Developmental MEchanisms of Heart Disease.               
    Futura, New York, 1995年
  • Mechanison of the developmental congenital heart anomalies               
    1995年
  • Distribution of cardiac neural crest cells, dibronection and tenascin in the outflow tract of chick embryos at incubation day 5 (共著)               
    Developmental Mechanisms of Heart Disease Futura,New York, 1995年
  • Effect of bisdiamine given to pregnant rats on hemodynamics of their embryos.(共著)               
    Embryonic origins of defective heart development.Annals of the New York Academy of Sciences, 1990年
  • Retinoic acid-induced visceroatrical heterotaxy syndrome in rat fetus.(共著)               
    Developmental cardiology:Morphogenesis and function.Futura,New York, 1990年
  • Migration of cardiac neural crest cells a temporo to spatial study in early quail-chick chimeras (共著)               
    Embryonic origins of defective heart development. Annals of the New York Academy of Sciences, 1990年
  • Hemodynamic effects of cardiovascular agents on the embryonic circulation : a comparative study in chick and rat embryos.(共著)               
    Developmental cardiology:Morphogenesis and function.Futura,New York, 1989年
  • AV canal defect in a feline species.(共著)               
    Congenital Heart Disease.Futura,New York, 1984年

所属学協会

  • 現在
    動物と人の予防医学研究会               
  • 日本発生生物学会               
  • 日本分子生物学会               
  • 日本小児循環器学会               

Works_作品等

  • jumonji遺伝子の心臓発生での機能と心筋再生               
    2000年 - 2001年
  • 心臓房室心内膜床欠損の形態におけるPitx2遺伝子の機能               
    2000年 - 2001年
  • Roles of jumonji gene in cardiac development and regeneration               
    2000年 - 2001年
  • Pitx2 function in morphogenesis of atrioventricular septal defect               
    2000年 - 2001年
  • Mesp転写因子による心臓前駆細胞の分化               
    2001年
  • Differentiation of cardiac progenitor cells in Me transcription factor               
    2001年

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 心臓発生過程における神経堤細胞、マクロファージ、脈管内皮細胞の連携の検討
    基盤研究(C)
    ヤマザキ動物看護大学
    2022年04月01日 - 2025年03月31日
    発生初期に出現する神経堤細胞をニワトリ胚、またはウズラ胚で焼灼除去すると心臓奇形の1つである動脈幹遺残を作出できる。心臓奇形を生ずる心臓神経堤postoticとその前方に位置する神経堤preoticはそれぞれ心臓形成に対する役割が異なり、後者のpreotic神経堤は特に心臓冠血管形成に関与する。マウスWnt1-Cre;R26R-EYFP胎仔で神経堤細胞とマクロファージマーカーF/80を使って検討したところ、神経堤細胞分布の豊富な部位にマクロファージ分布を認めた。しかし、Wnt1-系譜神経堤細胞はマクロファージマーカーを発現しないことから、神経堤細胞は心臓マクロファージには分化しないと考えられる。ニワトリ胚でpreotic、postotic両方の神経堤を切除すると心臓奇形と同時に流出路周辺の冠血管とリンパ管に異常を認め、流出路マクロファージKUL01数が激減した。しかし、preotic神経堤を切除すると頸部形態の異常はあるもののマクロファージ数は変化なかった。これはpostotic神経堤による代償作用と考えられる。マクロファージ分化と分布に神経堤細胞が関与するかどうかをマウスWnt1-Cre;R26R-EYFP心臓の神経堤を使って、scRNA-seq、scATAC-seq分析したところ、神経堤細胞の一部がCsf1やCcl2などのマクロファージ誘導因子を発現していた。10xVisiumを用いて遺伝子プロファイルと空間トランスクリプトーム解析したところ、半月弁間質細胞部分にSall3転写因子クラスターを認めた。これらのことから、神経堤由来弁間質細胞は流出路の遠位クッションでCsf1とCcl2のようなマクロファージ産生因子を分泌することによって、造血心内膜細胞からのマクロファージ分化とその後のコロニー形成を刺激し、半月弁形成に寄与する可能性があることが示唆された。
  • 縦隔間葉系の器官発生及び疾患発症における意義の解明
    挑戦的研究(萌芽)
    東京大学
    2021年07月09日 - 2024年03月31日
    本研究では、縦隔間葉の主要な起源である神経堤細胞と胎生期にこの領域に多く分布するマクロファージを中心に、縦隔間葉系の構成細胞の起源と分化系譜を明らかにするとともに、発生過程における細胞間相互作用の推移を解析し、器官形成の場としての役割を解明する。さらに、ヒト縦隔腫瘍検体の遺伝子発現プロファイルと比較し、特に原発巣不明の腫瘍を中心にその細胞起源の推定を試み、縦隔間葉系の疾患発症母体としての臨床的意義を明らかにすることを目標としている。本年度は主に、神経堤細胞とマクロファージの単一細胞マルチオーム解析、心大血管および縦隔領域の空間的トランスクリプトーム解析、マウスと鳥類胚を用いた発生学的実験により、以下の成果を得た。
    ①心臓内神経堤細胞は骨軟骨前駆細胞様の段階から、血管平滑筋と非平滑筋間質細胞に分岐し、それぞれが多様なサブセットに分化することを明らかにし、運命決定に関与する転写因子ネットワークを同定した。
    ②半月弁間質や大動脈周囲の神経堤由来細胞においてマクロファージ分化誘導因子を産生する細胞群が存在し、マクロファージと共局在すること、鳥類胚による神経堤除去の実験結果などから、神経堤由来細胞とマクロファージの相互連携の存在が示唆された。
    ③Csf1r-Creマウスを用いた胎生期縦隔マクロファージの単一細胞解析では、起源の多様性を示唆するいくつかのサブセットの存在が示唆された。これらの結果より、心大血管を含む縦隔領域における神経堤細胞とマクロファージの系譜を中心とした細胞間相互作用の一端が明らかになり、縦隔領域における器官形成と病態形成に関与する器官外環境を明らかにする上で基盤となる知見を得た。
    ④手術検体を用いたヒト縦隔腫瘍の単一細胞解析をスタートさせ、腫瘍とその周辺細胞のクラスタリングによって細胞起源や細胞間相互作用を解析中である。
  • 心臓流出路形態形成についての包括的検討
    基盤研究(C)
    ヤマザキ動物看護大学
    2019年04月01日 - 2022年03月31日
    心臓流出路は心筋と血管をつなぐ領域で、この部位の異常は先天性心疾患の中で最も頻度が高い。心臓流出路を形成する細胞は二次心臓領域細胞、心臓神経堤細胞(後耳胞神経堤細胞)、前耳胞神経堤細胞、原羊膜壁側中胚葉、心外膜前駆細胞などある。本研究では胎生期の心臓流出路の形態形成過程を3次元的に捉え全体像を明らかにするシステムを構築することである。神経堤マーカーWnt-1-Creマウスでの大動脈弁、肺動脈弁での神経堤細胞の分布を確認した。さらにニワトリキメラ胚で後耳胞および前耳胞神経堤細胞は大動脈弁、肺動脈弁で分布に違いのあることが明らかとなった。
  • 多種細胞連環に基づく冠循環系の発生・進化・病態・再生の統合的理解
    基盤研究(A)
    東京大学
    2019年04月01日 - 2022年03月31日
    冠循環系の発生において、二次心臓領域由来の内皮と神経堤由来の平滑筋細胞が、心外膜やマクロファージなどを含めてエンドセリンやSema3E-PlexinD1シグナルなどを介した多種細胞連環によって冠動脈起始部を形成することを明らかにした。また、脊椎動物冠動脈の比較発生解剖学により、羊膜類の冠動脈起始部は進化の過程における新規形質である可能性を提唱した。マウス心筋梗塞モデルを用いた実験ではSema3E-PlexinD1シグナルの抑制がリンパ管の増生を促して梗塞巣を縮小させることから、心臓発生期に働くこのシグナル分子が心筋梗塞の新たな治療標的となる可能性が示唆された。
  • 細胞起源の多様性に基づく心臓形成機構の解明と再生デザインの探究
    基盤研究(A)
    東京大学
    2015年04月01日 - 2018年03月31日
    心臓形成に寄与する新たな細胞起源として前耳胞神経堤と原羊膜壁側中胚葉を同定し、各細胞群における表現型の多様性を単一細胞トランスクリプトーム解析で明らかにするとともに、それぞれの分化あるいは遊走を制御すると考えられるシグナルを明らかにした。また、冠動脈形成に関しては、その入口部の起源となる細胞群とリンパ管形成の新たな連携とそこに関わる分子シグナルを明らかにするとともに、虚血による心筋傷害過程にその知見を敷衍することにより、新しい心筋梗塞治療の標的となる可能性を示した。
  • 心臓内に流入する神経堤細胞の正体の解明~多分化能と可塑性はどこまで保持されるか
    挑戦的萌芽研究
    東京大学
    2014年04月01日 - 2016年03月31日
    本研究において我々は、マウスと鳥類胚を用いた発生学的実験により、従来「心臓神経堤細胞」として知られていた後耳胞領域より頭側の(前耳胞)頭部神経堤細胞が心臓内に遊走し、冠動脈平滑筋を始め、半月弁や心筋層内の間葉細胞に分化することを見出した。さらに単一細胞の遺伝子発現解析により、心臓内に流入する神経堤細胞の一群にはc-Kitなど幹細胞マーカーを発現する細胞群が含まれ、神経堤幹細胞としての多分化能をもつ細胞が心臓内においても保持されている可能性が示された。
  • 心臓大血管形成における広域器官形成ネットワークの概念と組織構築モデルの確立
    基盤研究(A)
    東京大学
    2012年04月01日 - 2016年03月31日
    本研究において我々は、心臓大血管形成に関与する新たな起源領域として、鰓弓を中心とする顎顔面骨格の起源となる前耳胞頭部神経堤細胞を冠動脈平滑筋など心臓構成組織の一起源として同定するとともに、新たな中胚葉領域が心筋や血管内皮細胞の分化に関与する可能性を見出した。これらの細胞はエンドセリンやセマフォリンシグナルなどを介した細胞間相互作用によって各々の分化や器官形成に寄与していると考えられる。これらの新しい細胞系譜の同定により、既知の系譜を含めた細胞間ネットワークの解析を進めることで器官形成機構の詳細が明らかになるとともに、組織再生モデルの確立にも寄与することが期待される。
  • 心血管形成に寄与する新たな細胞系譜の同定と領域特異的な細胞運命決定機構の解明
    基盤研究(B)
    東京大学
    2009年 - 2011年
    心発生初期において、エンドセリン-A受容体発現細胞群が一次心臓領域の腹側に特異的な心臓起源領域を形成すること、原始心筒形成後にその左側壁を上行して左室と両心房の心筋に分化すること、エンドセリンシグナルがERKリン酸化やTbx5遺伝子発現制御により心室筋形成に寄与することを明らかにした。血管形成に関しては、血管新生過程の細胞動態の可視化とコンピューター解析により樹状構造を形成する細胞の複雑な振る舞いや先端細胞の入れ替わり現象を明らかにした。
  • 心臓の房室心内膜床形成機構におけるPitx2の機能解析               
  • 川崎病冠動脈における増殖因子               
  • 発生初期の心血管系における分子細胞生物学的研究               

■大学教育・資格等情報

主な担当授業科目名

  • 動物臨床看護学実習Ⅱ
  • 動物臨床看護学総論
  • 動物看護学概論