中村 玲子
| 健康メディカル学部 心理学科 | 准教授 |
Last Updated :2025/10/07
■研究者基本情報
■経歴
■研究活動情報
論文
講演・口頭発表等
- SNS使用に起因するいじめの抑止を目的としたアサーション・スキルの学習プログラム開発ーいじめ否定の規範意識に着目したプログラム効果の検討ー
中村玲子; 渡辺弥生; 越川房子
日本教育心理学会総会, 2024年09月 - Evaluating a Psycho-Educational Program for the Prevention of Bullying in Junior High School
中村玲子; 島津直実; 越川房子
アメリカ心理学会, 2019年08月 - 学校現場で活用できる心理教育プログラムの検討-活動実践とこれから
日本カウンセリング学会大会自主シンポジウム, 2017年08月 - いじめの心理学ーパーソナリティ心理学はいじめ問題にどうアプローチするか
日本パーソナリティ心理学会大会委員会企画シンポジウム, 2015年08月
共同研究・競争的資金等の研究課題
- 傍観行動低減を目的とした”生徒主導型”いじめ抑止プログラムの開発と効果検証
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
2024年04月 - SNSに起因するいじめの防止‐傍観抑制とアサーションの学習プログラム開発
基盤研究(C)
帝京平成大学
2021年04月 - 2024年03月
本研究では中学生を対象にSNS上での友人とのトラブルに起因するいじめを主な題材として,アサーション・スキルの獲得によりいじめの抑止を目指す心理教育的プログラムを開発し,その効果を検討することを目的としている。当初の予定では傍観行動の抑制のためのアサーション・スキルを学習するプログラムを開発する計画であったが,本年度は研究協力校の希望を踏まえ,深刻ないじめにつながらないようにするためのアサーション・スキルの学習を中心的な内容とした。
プログラムは神奈川県内のA中学校において,2021年度の1年生及び3年生を対象に学級単位で,1回50分の学級活動の時間に行われた。プログラムは臨床心理学の専門家がサポートし,教員が実施した。内容は,①アサーション・スキルの学習,②SNSの使用に起因するトラブル場面の提示,③いじめという方法は許されないと伝える心理教育の3点を含んだ。具体的には,SNSでのやり取りから生じた誤解からトラブルとなった事例について,いじめにつながらないようにするにはどのようなコミュニケーションが必要か参加生徒に考え,ロールプレイを用いて学習してもらうものであった。
実施前後の査定は,回答しなくても不利益がないことを説明した上で行った。効果測定のための質問紙は,①藤本・大坊(2007)を参考に作成したアサーション・スキル使用に対する自己効力感(5件法),②いじめ否定の規範意識(7件法)(大西・吉田,2010を改変),③いじめ加害傾向(4件法)(中村・越川,2014)等から構成された。いじめ加害傾向は,抑制が難しいとされる制裁型を採用した。
分析の結果,実施前後で一部のアサーション・スキルに対する自己効力感の増大と,制裁型加害傾向の低下が認められた。 - 傍観行動の低減からいじめ防止を目指す心理教育的プログラムの開発と効果検証
基盤研究(C)
帝京平成大学
2017年04月01日 - 2023年03月31日
本研究では,傍観行動の低減によりいじめの防止を目指す心理教育的プログラムを中学生を対象に実施し,その効果を検討することを目的としている。これまでの研究でいじめの傍観行動に着目し,本プログラムを構成する①心理教育と②ロールプレイを用いた学習が共通していれば,実施する教員や対象生徒,ロールプレイの提示場面が異なってもこれまでと同様の効果が認められることについて検証を行った。いじめ介入プログラム実施前よりも実施後のほうが,①傍観行動をとらないことへの自己効力感が高まり,②いじめ否定の規範意識は強くなり,③いじめ加害傾向は低くなることが示されている。
本年度はM県内のB中学校において,追試研究を行った。本研究で開発中のプログラムは,B中学校の2年生143名を対象に学級単位で行われた。プログラムは臨床心理学の専門家がサポートし,教員が実施した。
効果測定のための査定はプログラム実施前日と当日の帰りのホームルームで行い,記入もれのない127名を分析対象とした。質問紙は,いじめの停止行動(観衆・同調・傍観の抑制,支持,報告,仲裁)に対する自己効力感(中村・越川,2014),いじめ否定の規範意識(大西・吉田,2010)等から構成された(得点が高いほど傍観行動をとらずにいじめをよくないものと考える傾向を示す)。
分析の結果,本プログラムは,傍観行動の抑制によるいじめの抑止に一定の効果を持つ可能性が示唆された。また「傍観行動」の抑制と「仲裁行動」に対する自己効力感は,規範意識が強いほうが効果を得やすい可能性が確認された。