
宮﨑 学
健康メディカル学部 理学療法学科 | 講師 |
健康科学研究科 理学療法学専攻 | 講師 |
■研究者基本情報
■経歴
経歴
- 2025年05月 - 現在
帝京平成大学, 健康メディカル学部 理学療法学科, 講師 - 2020年04月 - 現在
帝京大学医学部附属病院, リハビリテーション部, 理学療法士(非常勤) - 2017年02月 - 現在
医療法人社団祐昇会 長田整形外科, 理学療法士(非常勤) - 2016年04月 - 2025年05月
帝京平成大学, 健康メディカル学部 理学療法学科, 助教 - 2015年04月 - 2016年03月
東京大学医学部附属病院, リハビリテーション部, 理学療法士 - 2013年04月 - 2015年03月
こんどう整形外科リウマチクリニック(非常勤) - 2007年04月 - 2013年03月
帝京大学医学部附属病院, リハビリテーション部, 理学療法士
学歴
■研究活動情報
受賞
論文
- Acute effects of resetting the stretching intensity on range of motion and passive stiffness in healthy adults: a randomized crossover trial
Taizan Fukaya; Shingo Matsuo; Manabu Miyazaki; Masahiro Iwata; Genki Hatano; Eiji Yamanaka; Wakako Tsuchida; Yuji Asai; Shigeyuki Suzuki
Journal of Bodywork and Movement Therapies, 2025年04月, [査読有り] - Acute and Prolonged Effects of 300 sec of Static, Dynamic, and Combined Stretching on Flexibility and Muscle Force.
Matsuo S; Iwata M; Miyazaki M; Fukaya T; Yamanaka E; Nagata K; Tsuchida W; Asai Y; Suzuki S
Journal of sports science & medicine, 2023年12月01日, [査読有り] - 短時間の高強度スタティック・ストレッチングが柔軟性に与える影響
宮﨑学
帝京平成大学紀要, 2022年04月, [査読有り]
筆頭著者 - Changes in hamstring flexibility and muscle strength during the menstrual cycle in healthy young females.
Miyazaki M; Maeda S
Journal of physical therapy science, 2022年02月23日, [査読有り]
筆頭著者 - Effects of Menstrual Cycle on Flexibility of the Hamstrings in Healthy Young Women
Miyazaki M.; Maeda S.
Advances in Exercise and Sports Physiology 27 (3) 37-43, 2021., 2021年11月, [査読有り]
筆頭著者 - Changes in Flexibility and Force are not Different after Static Versus Dynamic Stretching.
Shingo Matsuo; Masahiro Iwata; Manabu Miyazaki; Taizan Fukaya; Eiji Yamanaka; Kentaro Nagata; Wakako Tsuchida; Yuji Asai; Shigeyuki Suzuki
Sports medicine international open, 2019年12月, [査読有り] - Dynamic Stretching Has Sustained Effects on Range of Motion and Passive Stiffness of the Hamstring Muscles.
Masahiro Iwata; Ayano Yamamoto; Shingo Matsuo; Genki Hatano; Manabu Miyazaki; Taizan Fukaya; Mitsuhiro Fujiwara; Yuji Asai; Shigeyuki Suzuki
Journal of sports science & medicine, 2019年03月, [査読有り] - HALを用いた介入効果について
宮崎 学; 長谷川 真人
理学療法学Supplement, 2017年
筆頭著者,【はじめに】
Hybrid Assistive Limb(以下,HAL)は身体装着型の動作支援ロボットであり,理学療法分野での臨床応用が進んでいる。これまでに脳卒中や脊髄損傷をはじめとして多くの疾患への適用が試みられており,有効性の報告を散見する。しかし,これらの報告は症例報告や対象なし研究が殆どであり,通常の理学療法との差異を明らかにするための対象群を設けた報告は少ない。また,先行研究としてHALに関するシステマティックレビュー(以下,SR)が英文で発表されているが,それには日本語論文は含まれていない。
そこで,今回は日本語論文でのHALの介入効果を検討するために,HALを用いた介入効果に関する研究について日本語でのSRの作成を目的とした。
【方法】
このSRはPRISMA statementに沿い,臨床疑問はPICOS(participant,intervention,comparator,outcome and study design)フォーマットを基に形成した。対象は健常者を除外した病態を有する患者とし,罹患期間は問わなかった。また,介入はHALを用いた理学療法とした。対象介入はその種類を問わなかった。評価尺度は機能障害とした。研究デザインは無作為化比較試験(randomized controlled trial,以下RCT)および比較臨床試験(controlled clinical trial,以下CCT)とした。対象言語は日本語とし,査読制度のある学術雑誌の原著論文を対象とした。
データベースは医中誌Web(Ver.5),CiNii,メディカルオンラインの3つを用いた。さらに,Google ScholarⒸによる検索を補完的に行った。検索式は「ロボット and HAL」または「ロボット and Hybrid assistive limb」とした。検索期間は,データベースにより最も古い日付から2016年8月31日までとした。
系統的検索から得られた論文のうち重複するものを除外し,タイトルと抄録のスクリーニングから関連のない論文を除外し,残った論文の本文を評価することで論文を選択した。
【結果】
最初の検索で135の論文が同定された。31編の論文が重複していたため除外し,101編の論文のスクリーニングを行った。予め設定した研究選択の適格基準に合致した論文は1編であった。疾患は急性期脳卒中,介入内容は通常の理学療法に週2回,平均16.6±2.9回のHALを用いた理学療法であった。対象介入は通常の理学療法であった。主な評価指標は歩行速度,バランス,ADL能力であった。しかし,研究デザインはCCTであり,RCTの論文はなかった。
【結論】
今回のSRでは,条件に合う報告が1本のみであり,今後の報告に注目していく必要がある。今後は英語データベースと統合したSRを行い,HALの介入による有用性や結果を実証していく必要があると考えられる。
- 頸髄症を合併したアテトーゼ型脳性麻痺症例に対するHALでの歩行練習の短期介入効果
長谷川 真人; 宮崎 学; 横田 一彦; 中原 康雄; 山海 嘉之; 筑田 博隆; 芳賀 信彦
理学療法学Supplement, 2016年
【目的】頸髄症はアテトーゼ型脳性麻痺(以下,ACP)成人の約7割で発症するとされ,歩行等のADL低下の際には外科的治療が必要となる。ロボットスーツHAL(以下,HAL)は歩行を補助する外骨格ロボットで先行研究では脳卒中や脊髄損傷への有効性が報告されているが,ACPと頚髄症を有した症例へのHAL介入報告はない。本研究の目的は,頸髄症を合併したACP症例へのHALの短期介入効果の検証である。【症例】ACPの50歳代後半の男性で1998年に右Keegan型麻痺にて当院整形外科・脊椎外科で外来経過観察,屋外独歩自立だったが2015年4月頃より歩行障害が増悪,6月に転倒し左手,両足痺れ,左下肢優位の筋力低下が出現し転倒による頚髄症悪化と診断され,9月当院にてC2ドーム形成,C3-5椎弓切除術が施行された。理学療法は術前介入し棟内歩行は歩行器見守り,術翌日に再開も,術後4日目にMRIで術部皮下血腫を認め,一旦中止,術後10日目に介入再開し週5回の通常理学療法継続するも術後31日目で歩行機能改善に乏しく,T-caneで10m歩行が軽度介助にて可能であった。【方法】研究デザインはベースラインを術後31日として,AB型シングルケースデザインとした。A期は術後32日のHAL自立支援用での歩行練習時,B1,B2期は術後35日と37日のHALなしでの歩行練習時とした。A期とB期では総歩行練習距離を200mに統一し転倒予防のため免荷式歩行器を使用し,正常パターンを意識して歩行練習を行った。術後31日の理学療法実施後の十分な休憩後,A,B期は歩行練習前後に10m歩行テストを同条件下で実施し,最速歩行速度と歩幅,A,B期での歩行速度と歩幅の変化率を求め,HALの有効性を検討した。【結果】歩行速度,歩幅はベースライン時0.37m/秒,0.35m,A期介入前0.31m/秒,0.32m,介入後0.49m/秒,0.35m(歩行速度と歩幅の変化率:158%,109%),B1期介入前0.52m/秒,0.37m,介入後0.58m/秒,0.41m(111%,110%),B2期介入前0.43m/秒,0.35m,介入後0.57m/秒,0.43m(132%,122%)と歩行速度はA期にて最も改善を認め,A,B期とも介入前後で歩幅の増加を認めた。B期にて棟内歩行は歩行器見守りとなり術後38日で回復期病院に転院となった。【考察】頸髄症を合併したACPに対する外科的治療後の理学療法の歩行機能改善に関する報告は少ない。本症例は通常の理学療法が難渋し術後1か月時に,歩行能力低下が残存していたが,1回のHALでの歩行練習にて介入前後で著明な歩行速度の変化を認め,その後HALなしの歩行練習でも歩行速度と歩幅の増加が認められた。この理由として感覚障害を有さない本症例の歩行練習実施時にHALのアシスト機能が働くことにより,運動感覚がフィードバックされ,HAL装着時だけでなく取り外し後も適切な歩行パターンの学習が促され,短期的効果がもたらされた可能性が示唆される。今後更なる症例数やHAL介入回数を重ねた研究や無作為化比較対照試験等,効果検証の継続が必要である。 - プレコンディショニングとしての温熱刺激が高強度スタティック・ストレッチングに与える影響
宮﨑学
2015年03月
筆頭著者
MISC
- HALを用いた介入効果について システマティックレビューによる検討
宮崎 学; 長谷川 真人
理学療法学, 2017年04月
(公社)日本理学療法士協会 - 脊髄空洞症を呈した症例へのロボットスーツHALを用いたトレーニング効果
長谷川真人; 横田一彦; 藤原清香; 中原康雄; 宮崎学; 宮脇哲; 芳賀信彦
日本ニューロリハビリテーション学会学術集会プログラム・抄録集, 2017年 - デュシェンヌ型筋ジストロフィー患者へのゼリー食調整食品による服薬の実施
宮崎 学; 戸田 久美; 平田 由美子; 山田 恵利華; 小柳 佳代; 桑原 寿佳子; 荒畑 創
筋ジストロフィー医療研究, 2016年10月
筋ジストロフィー医療研究会 - 頸髄症を合併したアテトーゼ型脳性麻痺症例に対するHALでの歩行練習の短期介入効果
長谷川 真人; 宮崎 学; 横田 一彦; 中原 康雄; 山海 嘉之; 筑田 博隆; 芳賀 信彦
理学療法学, 2016年10月
(公社)日本理学療法士協会 - 静的ストレッチングと筋収縮の繰り返しがROM、stiffness、最大動的トルクに及ぼす影響
永田 健太郎; 鈴木 重行; 深谷 泰山; 山中 英士; 岩田 全広; 松尾 真吾; 浅井 友詞; 宮崎 学
理学療法学, 2016年10月
(公社)日本理学療法士協会 - 原因不明の痙性対麻痺症例に対するロボットスーツHALを用いた歩行トレーニングの即時効果の検証
長谷川 真人; 宮崎 学; 横田 一彦; 太田 麻美子; 中原 康雄; 澤田 佑介; 間野 かがり; 山海 嘉之; 芳賀 信彦
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine, 2016年06月
(公社)日本リハビリテーション医学会 - 静的ストレッチングと筋収縮の繰り返しがROM,stiffness,最大動的トルクに及ぼす影響
永田 健太郎; 鈴木 重行; 深谷 泰山; 山中 英士; 岩田 全広; 松尾 真吾; 浅井 友詞; 宮崎 学
理学療法学Supplement, 2016年
【はじめに,目的】静的ストレッチング(static stretching:以下,SST)は,関節可動域(range of motion:以下,ROM)の増加やstiffnessの低下といった柔軟性改善効果が報告されており,スポーツや臨床現場において実施されている。我々は,これまでに痛みが生じる直前の伸張強度でSSTを繰り返し行うと,SST開始時の静的トルク(筋の伸張に対する抵抗値)が増加し,高い柔軟性改善効果が得られることを報告した。他方,SST後に筋収縮を負荷すると,伸張刺激に対する痛み閾値を反映する最大動的トルクがSST単独と比較して増加することを明らかにしている。これらの結果を統合すると,筋収縮負荷がもたらす最大動的トルクの増加は,SST開始時の静的トルクの増加に貢献すると考える。そして,SSTと筋収縮を繰り返し行うことでより大きな伸張強度のSSTを実施することができれば,結果的により高い柔軟性改善効果を得ることができると仮説を立てた。しかしながら,SSTと筋収縮を繰り返す介入方法が柔軟性に与える効果を詳細に検討した報告はない。そこで本研究は,SSTと筋収縮の繰り返しがROM,stiffness,最大動的トルクに及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。【方法】対象は健常学生10名の右ハムストリングスとした。実験群は1)SST群,2)筋収縮群,3)SST+筋収縮群の3群を設け,被験者は全ての群に24時間以上の間隔を設けてランダムに参加した。実験には等速性運動機器(BTE社製PRIMUS RS)を用いた。SST群は,大腿後面に痛みが生じる直前の膝関節伸展角度にて,60秒間のSSTを5セット(計300秒間)行った。筋収縮群は,maximum voluntary isometric contraction(以下,MVIC)の30%強度に設定した6秒間の等尺性膝屈曲運動(以下,30%MVIC)を5セット行った。SST+筋収縮群は,60秒間のSST後に6秒間の30%MVICを実施することを5セット行った。柔軟性の評価は介入前・後で行い,各介入の効果を検討した。評価指標はROM,stiffness,最大動的トルクとし,これらは測定開始肢位から膝関節最大伸展角度まで5°/秒の角速度で他動的に伸展させた際のトルク-角度曲線より求めた。stiffnessはSST前の膝関節最大伸展角度を基準(100%)にその50%の角度までの回帰直線の傾きと定義し,ROM及び最大動的トルクはそれぞれ膝関節最大伸展角度における値とした。【結果】ROM及び最大動的トルクはSST群,筋収縮群,SST+筋収縮群のすべての群において介入後で有意に増加した。stiffnessはSST群では介入後で有意に低下したが,筋収縮群及びSST+筋収縮群では介入前・後で有意な差は認められなかった。【結論】本研究の結果から,SSTと筋収縮を繰り返し行うことでROM,最大動的トルクが改善することを明らかにした。今後,SSTと筋収縮の繰り返しがstiffnessに与える影響について詳細に検討したい。, 公益社団法人 日本理学療法士協会 - ダイナミック・ストレッチングが柔軟性に及ぼす即時的効果と効果持続時間について
山本 彩乃; 松尾 真吾; 宮崎 学; 深谷 泰山; 土田 和可子; 鈴木 重行; 岩田 全広
体力科学, 2015年12月
(一社)日本体力医学会 - 静的ストレッチングにおける伸張角度の再設定が柔軟性に及ぼす影響
深谷 泰山; 鈴木 重行; 宮崎 学; 岩田 全広; 松尾 真吾; 浅井 友詞; 波多野 元貴
理学療法学, 2015年04月
(公社)日本理学療法士協会 - プレコンディションニングとしての温熱刺激が高強度スタティック・ストレッチングに与える影響について
宮崎 学; 鈴木 重行; 深谷 泰山; 岩田 全広; 松尾 真吾; 浅井 友詞; 波多野 元貴
理学療法学, 2015年04月
(公社)日本理学療法士協会 - ハムストリングスの柔軟性に対するダイナミック・ストレッチングの急性効果
山本 彩乃; 松尾 真吾; 宮崎 学; 深谷 泰山; 土田 和可子; 鈴木 重行; 岩田 全広
理学療法学, 2015年04月
(公社)日本理学療法士協会 - ハムストリングスの柔軟性に対するホットパックの即時的効果と効果持続時間について
宮崎 学; 鈴木 重行; 深谷 泰山; 岩田 全広; 松尾 真吾; 浅井 友詞; 波多野 元貴
愛知県理学療法学会誌, 2015年03月
(NPO)愛知県理学療法学会 - プレコンディションニングとしての温熱刺激が高強度スタティック・ストレッチングに与える影響について
宮崎 学; 鈴木 重行; 深谷 泰山; 岩田 全広; 松尾 真吾; 浅井 友詞; 波多野 元貴
理学療法学Supplement, 2015年
【はじめに,目的】スタティック・ストレッチング(static stretching:以下,SST)には,即時的な柔軟性改善効果が知られている。先行研究では伸張強度が高いほど,柔軟性改善効果は大きく,その効果持続時間は延長したと報告されており,高強度SSTはより柔軟性改善に効果的であることが示唆されている。また,臨床現場では温熱刺激が疼痛緩和などを目的に使用されており,SSTと併用することでROMの改善効果がより大きくなることが先行研究において示されている。しかし,伸張強度の異なるSSTと温熱刺激との併用による柔軟性改善効果を経時的に比較・検討した報告はない。そこで,本研究はプレコンディショニングとしての温熱刺激が異なる伸張強度のSSTに与える影響を明らかにすることを目的とした。【方法】被験者は健常学生17名(男性10名,女性7名,平均年齢21.7±0.9歳)とし,対象筋は右ハムストリングスとした。被験者は股関節及び膝関節をそれぞれ約110°屈曲した座位(以下,測定開始肢位)をとり,等速性運動機器(BTE社製品PRIMUS RS)を用いて測定を行った。SSTは大腿後面に痛みの出る直前の膝関節伸展角度を100%とし,100%,120%(以下,100%群,120%群)のいずれかの伸張強度にて300秒間保持して行った。また,SST中は静的トルクを測定し,1分毎に痛みの強度をNumerical Rating Scale(以下,NRS)にて聴取した。柔軟性の評価指標には,stiffness,最大動的トルク,ROMを用い,測定開始肢位から膝関節伸展角度まで5°/秒の角速度で他動的に伸展させた際のトルク-角度曲線より求めた。Stiffnessは膝関節最大伸展角度からその50%の角度までの回帰曲線の傾きと定義し,最大動的トルク及びROMはそれぞれ膝関節最大伸展角度における値とした。温熱刺激には加温器で84℃に設定された乾熱式ホットパック(以下,HP)(山一社製品Cat-belly)を用いた。温熱刺激は測定開始肢位で右大腿部後面を20分間加温した。実験は,まず柔軟性の各評価指標を測定し,20分間の安静またはHPによる加温を行った。その後,各評価指標を再測定した後,いずれかの伸張強度のSSTを行い,SST直後から15分毎に90分後まで経時的に各評価指標の測定を繰り返した。被験者は,100%群,HP+100%群,120%群,HP+120%群の4種類すべてにランダムな順番で参加し,24時間以上の間隔を設け行った。統計処理には,Wilcoxonの符号付順位和検定及びSpearmanの順位相関係数を用いた。有意水準は危険率5%未満とした。【結果】HP+100%群及びHP+120%群はHP直後に最大動的トルク,ROMが有意に増加したが,stiffnessには有意な変化は認められなかった。SST中のNRSは120%群とHP+120%群との間に有意な変化を認めなかった。静的トルクはすべての群でSST前と比較し,SST後に有意に低下したが,その変化量はHP+120%群が最大となり,100%群及びHP+100%群と比較して有意に大きかった。Stiffnessの変化率はHP+120%群のみSST施行15分後まで有意差を認め,100%群との間に有意差が認められた。また,静的トルク変化量とSST直後のstiffness変化率との間に有意な負の相関関係を認めた。【考察】本研究結果より,ハムストリングスに対するHPの温熱効果は,最大動的トルク及びROMを増加させた。最大動的トルクは先行研究より,痛みを誘発するのに必要な伸張量であり,その値は伸張刺激に対する痛み閾値を反映する指標として用いられている。そのため,痛み閾値の変化がROMの増加に寄与したと考えられる。また,先行研究において静的トルクの低下量が大きいほど,stiffnessの低下率が大きくなることが報告されており,本研究においても同様の結果を示した。また,先行研究からSSTによる静的トルクの低下には神経学的な要因よりも力学的なストレス緩和が主に関与していることが示されている。これらのことから,HPと高強度SSTの併用による静的トルクの低下にも,力学的なストレス緩和の関与が伺われた。【理学療法研究としての意義】本研究より,温熱とSSTという異なる2つの刺激の併用による柔軟性改善効果や効果持続時間を把握することは,目的に沿ったより有効なストレッチングを施行する一助になると考える。, 公益社団法人 日本理学療法士協会 - 静的ストレッチングにおける伸張角度の再設定が柔軟性に及ぼす影響
深谷 泰山; 鈴木 重行; 宮崎 学; 岩田 全広; 松尾 真吾; 浅井 友詞; 波多野 元貴
理学療法学Supplement, 2015年
【はじめに,目的】静的ストレッチング(static stretching:以下,SST)は,即時的に柔軟性を改善することが広く知られている。近年,SSTの伸張強度が高いほど柔軟性改善効果は大きくなるが,高強度SSTの実施中には伸張部位に疼痛を伴うことが報告されている。そのため,痛みを伴わずに大きな柔軟性改善効果を得るSST方法の検討は,効果的かつ効率的なSST実践に向けた方法論の確立に寄与すると考えられる。一方,SST中の変化に着目すると,他動的な抵抗の指標である静的トルクは時間経過とともに次第に低下することから,対象筋に加わる張力は相対的に減弱する。したがって,「痛みの出る直前」の伸張角度でSSTを実施した後,改めて「痛みの出る直前」の伸張角度を再設定し,再びSSTを実施することで,より大きな柔軟性改善効果を得ることが期待できる。しかし,このSST方法や再設定の頻度による柔軟性改善効果は明らかではない。そこで,本研究はSSTにおける伸張角度の再設定が柔軟性に与える影響について検討することを目的とした。【方法】被験者は健常学生12名(男性8名,女性4名,平均年齢21.4±0.9歳)とし,対象筋は右ハムストリングスとした。被験者は股関節および膝関節をそれぞれ約110°屈曲した座位(以下,測定開始肢位)をとり,等速性運動機器(BTE社製PRIMUS RS)を用いて測定を行った。SSTの実施時間は合計300秒とし,大腿後面に痛みの出る直前の膝関節伸展角度にて行った。実験は,伸張角度の再設定を,1)行わない場合(300秒×1回群),2)60秒毎に行う場合(60秒×5回群),3)30秒毎に行う場合(30秒×10回群)の3条件で行った。評価指標はstiffness,最大動的トルク,ROMを用い,測定開始肢位から大腿後面に痛みの出る直前の膝関節伸展角度まで5°/秒の角速度で他動的に伸展させた際のトルク-角度曲線より求めた。Stiffnessは膝関節最大伸展角度からその50%の角度までの回帰曲線の傾きと定義し,最大動的トルク及びROMはそれぞれ膝関節最大伸展角度における値とした。実験はまず,stiffness,最大動的トルク,ROMを測定し,15分の休憩後,各条件のSSTを行い,同時に静的トルクと伸張角度を測定した。SST終了後は,再びSST前と同じ手順でstiffness,最大動的トルク,ROMを測定し,SST前後の値を比較した。なお,被験者は,全ての実験を24時間以上の間隔を設け行った。【結果】SST中の静的トルクは,全ての群において,低下が確認された。伸張角度の再設定を行った60秒×5回群と30秒×10回群では再設定後に伸張角度と静的トルクの増加が確認された。Stiffnessは,SST終了後に全ての群で有意に低下した。最大動的トルクおよびROMは,SST終了後に全ての群で有意に増加した。Stiffnessの変化率は,300秒×1回群よりも60秒×5回群ならびに30秒×10回群の方がそれぞれ有意に低値を示した。最大動的トルクの変化率は,300秒×1回群よりも30秒×10回群の方が有意に高値を示した。ROMの変化率は,300秒×1回群よりも60秒×5回群ならびに30秒×10回群の方がそれぞれ有意に高値を示した。【考察】本研究結果より,SST中の静的トルクが全ての群で低下したことから,SSTが適切になされたことが確認された。また,伸張角度の再設定を行わない300秒×1回群よりも伸張角度の再設定を行った60秒×5回群,30秒×10回群の方がROMが増加した。ROMの増加の要因は,伸張に対する痛み閾値を反映するとされる最大動的トルクの増加と筋腱複合体の粘弾性などの力学的特性を反映するとされるstiffnessの低下の関与が報告されている。このことから,本研究では,再設定を行った2群の方が再設定を行わない300秒×1回群よりも最大動的トルクの増加およびstiffnessの低下が大きかったため,ROMの増加が大きくなったと考えられる。先行研究にて,静的トルクを一定に保つストレッチング後のROMの増加とstiffnessの低下は伸張角度を一定に保つストレッチングよりも大きくなり,その要因として対象筋に加える張力の増加が報告されており,今回の結果では再設定後に静的トルクの増加が確認されたことから同様な要因が考えられる。【理学療法学研究としての意義】SSTを施行する際はSSTを一定時間伸張し続けるよりも,繰り返し伸張角度を再設定して行った方がstiffness,最大動的トルク,ROMの改善効果が認められることが示唆される。, 公益社団法人 日本理学療法士協会 - ハムストリングスの柔軟性に対するダイナミック・ストレッチングの急性効果
山本 彩乃; 松尾 真吾; 宮崎 学; 深谷 泰山; 土田 和可子; 鈴木 重行; 岩田 全広
理学療法学Supplement, 2015年
【はじめに,目的】ダイナミック・ストレッチング(dynamic stretching:以下,DST)は,目的とする筋群の拮抗筋群を意識的に収縮させ,関節の屈伸や回旋などを行うことで筋や腱を伸張する方法(山口太一・他:CREATIVE STRETCHING,2007.)であり,その効果は,プロサッカー選手,女性アスリート,さらには健常者などを対象として,スプリントタイムの短縮,筋パワーの増加,あるいは筋電図振幅の増加などが報告されている。これらの報告を根拠に,瞬発的なパフォーマンス発揮が必要とされる運動前のウォーミングアップとしてはDSTの利用が推奨されており,事実,スポーツ現場ではウォーミングアップにおけるDSTの利用が促進してきている(Duehring MD, et al.:J Strength Cond Res, 2009.)。他方,柔軟性に対するDSTの効果については,DSTが関節可動域(range of motion:以下,ROM)に与える急性効果を検討した報告は散見されるものの,stiffnessや最大動的トルクといったROM以外の柔軟性の評価指標を用いて検討した報告はほとんどなく,さらに,各評価指標を同時に測定し,比較・検討した報告は見当たらない。本研究の目的は,DSTが柔軟性の各評価指標に与える急性効果を明らかにすることである。【方法】対象は,下肢に整形外科的および神経学的疾患を有しない,健常学生12名(男性6名,女性6名,平均年齢21.8±0.8歳)とし,対象筋は右ハムストリングスとした。すべての被験者は,股関節および膝関節をそれぞれ約110°屈曲した座位姿勢(以下,測定開始肢位)をとり,等速性運動機器Primus RS(BTE社製)を用いてDST実施前・後における柔軟性の変化を評価した。ハムストリングスに対するDSTは,両手で平行棒を把持した立位姿勢から,膝関節伸展位で股関節を最大屈曲させた後に元の立位姿勢に戻すまでの自動運動を,2秒/回の頻度で行った。DSTの回数は15回×1セットとし,計10セット(150回)実施した。柔軟性の評価指標は,stiffness,最大動的トルク,ROMの3種類とした。Stiffness,最大動的トルク,ROMは,測定開始肢位から膝関節最大伸展角度(大腿後面に痛みの出る直前)まで5°/秒の角速度で他動的に伸展させた際のトルク-角度曲線より求めた。StiffnessはDST実施前の膝関節最大伸展角度からその50%の角度間の回帰直線の傾きと定義し,最大動的トルクおよびROMはそれぞれ膝関節最大伸展角度における値とした。実験はまず各評価指標を測定し,DSTを行い,再び各評価指標を測定した。統計処理はWilcoxonの符号付順位和検定を用い,DST実施前・後の比較を行った。有意水準は危険率5%未満とした。【結果】ROMはDST実施前・後で83.2±9.6°が92.7±8.7°となり,有意に高値を示した。StiffnessはDST実施前・後で0.42±0.11 Nm/degが0.38±0.10 Nm/degとなり,有意に低値を示した。最大動的トルクはDST実施前・後で30.5±7.4 Nmが34.5±9.0 Nmとなり,有意に高値を示した。【考察】本研究結果から,DSTによるROMの増加に伴ってstiffnessは低下し,最大動的トルクは増加することが明らかとなった。Stiffnessは先行研究より,筋腱複合体の粘弾性を反映すると考えられ,stress relaxationなど筋腱複合体の力学的特性の変化と関連することが示唆されている(McHugh MP, et al.:Med Sci Sports Exerc, 1992., Magnusson SP, et al.:Scand J Med Sci Sports, 1995.)。また,最大動的トルクは先行研究より,痛みを誘発するのに必要な伸張量であり,その値は伸張刺激に対する痛み閾値を反映する指標として用いられている(Magnusson SP, et al.:J Physiol,1996., Mizuno T, et al.:Scand J Med Sci Sports, 2013.)。したがって,DST実施後にROMが増加した要因は,stiffnessの低下,すなわち筋腱複合体の力学的特性の変化と,最大動的トルクの増加,すなわち痛み閾値の上昇の両者によってもたらされたものと推察される。【理学療法学研究としての意義】柔軟性に対するDST効果に関する基礎的データの蓄積は,より有効なDSTの実践と適用の拡大をする上で必須であり,evidence-basedな運動処方の確立に向けた一助になるものと考える。, 公益社団法人 日本理学療法士協会 - 静的ストレッチングの柔軟性改善効果は伸張強度が高いほど大きい
波多野 元貴; 鈴木 重行; 松尾 真吾; 宮崎 学; 片浦 聡司; 岩田 全広; 坂野 裕洋
体力科学, 2014年
一般社団法人日本体力医学会 - ハンドヘルドダイナモメーターを用いた肩関節筋力測定の熟練度の影響 検者内、検者間の信頼性の検討
宮崎 学; 一重 吉史; 今野 陽一郎; 松岡 瑞雄; 須藤 大輔; 馬場 絵美里; 平本 美登理; 石井 智美; 三上 健太; 藤野 文; 森川 亘; 伊藤 正明
理学療法学, 2011年04月
(公社)日本理学療法士協会
書籍等出版物
講演・口頭発表等
- Restless legs syndromeを発症した切迫流早産患者に対する理学療法の一例
丸山文, 小山内郷, 根津杏奈, 宮﨑学, 中川一平, 木戸浩一郎, 長坂一憲, 緒方直史
第15回日本早産学会学術集会, 2022年10月08日 - 当院における切迫流早産患者に対するリハビリテーションの関わり
小山内郷; 丸山文; 根津杏奈; 宮﨑学; 中川一平; 木戸浩一郎; 長坂一憲; 緒方直史
第15回日本早産学会学術集会 - 健常若年女性における月経周期が柔軟性に与える影響
宮﨑学; 前田清司
第22回日本健康支援学会年次学術大会・第8回日本介護予防・健康づくり学会大会, 2021年03月06日 - Current status and measures of leprosy in the world.
宮﨑 学
The 1st Academic agreement conclusion commemoration between Regis university and Teikyo Heisei university., 2019年07月07日 - 変形性膝関節症の病態と理学療法
宮﨑 学
青森県理学療法士会研修会, 2019年02月02日, [招待有り] - サルコペニアを予防するには?
宮﨑学
東京都豊島区 介護予防リーダー養成講座, 2019年01月31日, [招待有り] - Effect of stretching intervention after a stretch contraction on delayed onset muscle soreness.
Miyazaki Manabu
ランシット大学(理学療法学科)での講演会, 2018年09月17日 - 月経周期が柔軟性・運動パフォーマンスに与える影響
宮﨑学; 佐藤彩; 宮沢絵美
第73回日本体力医学会大会, 2018年09月
所属学協会
共同研究・競争的資金等の研究課題
- 月経周期が柔軟性・運動パフォーマンスに与える影響
若手研究
帝京平成大学
2018年04月 - 2021年03月
本研究は健常若年者の月経周期の柔軟性および運動パフォーマンスの経時的変化を捉えることを目的としている。女性アスリートの前十字靭帯損傷の発症率は、男性と比較して高いことが報告されており、その要因として、性ホルモンの影響が関与していると考えられ、月経周期の排卵前までの相に高いことが報告されている。柔軟性の指標で用いられる関節可動域は、筋腱複合体の力学的特性を示すstiffness、伸長刺激に対する痛み閾値を反映する動的トルクの変化が関与していると考えられており、これらの指標が月経周期で変動することでACL損傷リスクを増加させる可能性が示唆される。しかしながら、月経周期における柔軟性や筋力の経時的変化を同時にかつ詳細に捉えた報告はなく、臨床応用されるほどの十分なエビデンスは示されていないのが現状である。そこで、本研究は基礎体温計および排卵検査薬を用いて月経周期を4期に分け、柔軟性および運動パフォーマンスの経時的変化を捉え、比較・検討することを目的とした。2018年度は月経周期の判定に基礎体温計を用いて関節可動域・筋力の継時的変化を捉えることを目的に実施した。仮説としては、各相において関節可動域や筋力に変化があると考えていたが、有意な差を認めなかった。要因としては、基礎体温計の計測のみでは、低温期と高温期の2相性を確認することができなかった対象者がおり、ホルモン分泌量の変動について十分に把握をすることができなかった為と考えられる。今後は、基礎体温計のみではなく、排卵検査薬を併用することや、対象者のリクルートを厳密にしていくことで月経周期の同定を行っていく必要がある。