野原 信
| 健康メディカル学部 言語聴覚学科 | 准教授 |
| 健康科学研究科 言語聴覚学専攻 | 准教授 |
Last Updated :2025/10/07
■研究者基本情報
■研究活動情報
論文
- 就学前後の軽中等度難聴児における他者感情推測の検討 社会的な制約(約束)の理解
野原 信; 廣田 栄子; 仲野 敦子; 有本 友季子; 猪野 真純; 奥沢 忍
Audiology Japan, 2023年09月 - 就学前後の軽中等度難聴児における他者感情推測の検討 社会的な制約(約束)の理解
野原 信; 廣田 栄子; 仲野 敦子; 有本 友季子; 猪野 真純; 奥沢 忍
Audiology Japan, 2023年09月 - インクルーシブ環境における思春期から青年期の聴覚障害認識の構成について:当事者視点での検討
廣田 栄子; 大原 重洋; 中津 真美; 野原 信; 岡野 由実; 奥沢 忍; 今川 記恵
Audiology Japan, 2020年09月 - わが国における聴覚障害児の早期診断・介入の実態と地域連携
廣田 栄子; 齋藤 佐和; 大沼 直紀; 大原 重洋; 中津 真美; 野原 信; 岡野 由実; 奥澤 忍; 菅原 充範; 今川 記恵
リハビリテーション連携科学, 2019年06月, [査読有り] - 聴覚障害児の他者の性格特性理解における社会的知識の影響
野原 信; 廣田 栄子
リハビリテーション連携科学, 2018年06月 - 聴覚障害児における会話時の意図理解に関する検討:社会的知識の使用
野原 信; 廣田 栄子
AUDIOLOGY JAPAN, 2018年
筆頭著者,要旨: 聴覚障害児45名を対象に, 会話時の他者の意図の理解について, 同年齢の健聴児232名と比較して検討した。3種の課題場面について, 社会的知識を用いて理解を求める条件 (文脈あり条件) と社会的知識がなくても理解可能な条件 (文脈なし条件) を設定し, 書記で回答を求めた。その結果, 聴覚障害児では, 社会的知識の文脈あり条件で, 他児の意図の理解について低下した。とくに対人的な配慮を必要とする条件で課題を示した。課題成績については, 対象児の言語能力 (読書力検査結果) との相関が高く, 平均聴力レベルとの相関は有意ではなかった。社会的知識を用いて他者の意図を理解する能力は, 幼児期後期から学童期に獲得されるが, 簡単な会話に支障がない場合にも, 聴覚障害児の言語発達の課題として, 指導の適用について検討が必要であると考えられた。
- 聴覚障害児の社会的知識を背景とした他者の行為意図理解の検討
野原 信; 廣田 栄子
日本コミュニケーション障害学会学術講演会予稿集, 2016年04月 - 聴覚障害児における他者の行為意図の説明に関する検討
野原 信; 廣田 栄子
音声言語医学, 2014年
筆頭著者, 聴覚特別支援学校小学部2~3年生の高度聴覚障害児(HH児)21名と同学齢の聴力正常な典型発達児(TD児)60名を対象にし,向社会的および反社会的な動作主の行為の意図と受け手の反応が,通常と一致した条件と矛盾した条件を設定して,他者の行為意図説明能力の発達について検討した.その結果,両群ともに,一致した条件に比べ矛盾した条件で行為意図に関する説明の正答率が低下した.HH児はTD児に比べ,両条件で成績の低下を認め,矛盾した条件における動作主の行為意図説明では,語彙や説明内容が乏しい叙述傾向を認めた.行為意図説明の正答率は,基礎的言語能力としての読書力と相関が高いが個人差を認め,発達の評価に基づいた個に応じた指導が必要と考えられた.高度聴覚障害児では,社会的経験に基づいて密接なコミュニケーションを配慮した言語学習の重要性が示唆された. - 高度聴覚障害児における因果推論の発達に関する検討
野原 信; 廣田 栄子
音声言語医学, 2013年01月20日
高度聴覚障害児(聴障児)の因果性の推論による説明(因果推論)の発達特性を明らかにするために聴覚特別支援学校小学部2~3年生の聴障児21名と3~6歳の聴力正常な典型発達児(聴児)61名を対象にし,因果推論課題を用いて検討した.課題は知識領域と概念水準の二側面について結果を分析した.その結果,聴障児のうち因果推論の正答率高得点例では事象の変化・事物の特性は良好で,自然の変化で低下した.低得点例では,事物の特性でも低下し,4~6歳の聴児と共通した傾向を示した.
聴障児では知識領域の使用は良好であるが概念水準で遅滞を示した.因果推論は読解能力と相関が高く,本評価に基づく個別指導の有用性が示唆された.本研究で用いた3種課題と,知識領域と概念水準の2側面の評価は,因果推論説明の発達特性の検討に有用と考えられた.
MISC
- 就学前後期聴覚障害児における感情推測に用いる準拠情報の発達評価法の検討
野原 信; 廣田 栄子; 仲野 敦子; 有本 友季子; 猪野 真純; 奥沢 忍
Audiology Japan, 2024年09月
(一社)日本聴覚医学会 - 聴覚障害児・盲ろう児の早期発達支援のための研修プログラムの開発と展開 当事者のWell-beingの視点から
黒田 生子; 森 尚彫; 野原 信; 森 つくり; 熊井 正之; 原田 勇彦
Audiology Japan, 2024年09月
(一社)日本聴覚医学会 - 聴覚障害児における会話時の感情認知・感情説明の発達と, 関連要因の検討
野原 信; 廣田 栄子
AUDIOLOGY JAPAN, 2021年要旨: インフォーマルな会話場面では, 話者の感情理解を背景に発話の意図を理解することが少なくないが, 聴覚障害児では会話時の情報制約により, 話者の感情理解が困難な状況が生じうる。そこで, 本研究では, 聴覚障害学童45名に対し, ポジティブ感情とネガティブ感情を惹起する図版について, 登場児・対象児の二者視点を組み合わせた条件で, 会話場面における感情認知と感情説明の発達について検討し, 聴力正常学童232名の結果と比較した。その結果, 聴覚障害児では, ネガティブ感情について, 一部で感情認知の共有が低下し, 感情説明について言語能力要因の関与が示された。言語発達支援では会話場面での感情理解に注目し, その説明を加えるなど理解の促進をはかることの重要性について指摘した。
, 一般社団法人 日本聴覚医学会
共同研究・競争的資金等の研究課題
- 学童期の難聴児における状況文脈を考慮した他者の行為意図理解の発達機序の解明
若手研究
帝京平成大学
2023年04月01日 - 2026年03月31日
2023年度は、先行研究の調査と課題内容の検討を行った。
国内における研究動向を調査するために、文献調査を実施した。CiNii Researchを用いて、検索式「(難聴 OR 聴覚障害) & (幼児 OR 児) & (他者理解 OR 意図理解 OR 視点取得 OR 状況理解 OR 社会的知識)」で実施した。25件が抽出された。今後は、抽出された論文について、『目的』『対象』『方法』『結果』について分析するとともに、海外の研究動向も整理する予定である。
課題場面について、幼児及び学童対象の社会的知識(マナーやルール、道徳)の学習について書かれた文献(小学入試練習帳(13) ジュニアウォッチャー 時間の流れ常識.日本学修図書株式会社、田沼茂紀.小学校道徳1・2年.明治図書など)より、内容を確認している。低学年では、「親切、思いやり」「感謝」といった対人的な配慮ととともに、「規則の尊重」といった社会的規則に関する知識も含まれることがわかった。今後は、どのような場面設定にするのか検討をしたい。 - 軽中等度難聴児の学童期課題の発生の機序と言語発達支援要件の検討に関する研究
基盤研究(C)
筑波大学
2019年04月01日 - 2022年03月31日
1)研究1【軽中等度難聴児の学童期の発達実態研究】幼児期に聴覚口話法により早期介入を行い、言語獲得を得た感音難聴児20名について、青年期の障害認識について記載を求め、テキストマイニング分析を行い、軽中等度難聴児固有の肯定的自己の形成と関与する要因について検討した。聴児との対峙で障害認識が深まり、同障児との交友の重要性を指摘した。
2)研究2【軽中等度難聴児の幼児期後期の言語発達課題研究】①前年度開発したナラテイブ評価尺度を用い、叙述評価法を改善して10名の難聴児の自発産生を評価した。軽中等度難聴児では幼児期後期から学童期のナラテイブでは、ミクロ構造と比べて、マクロ構造について発達課題が生じていた。②幼児期から学童初期の会話時における感情視点取得と心理社会的発達評価との関係性を評価する課題を作成し、某病院外来受診児に実施開始する段階にある。
3)研究3【軽中等度難聴児と家族の障害理解支援】①青年期の軽中等度難聴者に対し、聞こえの困難度尺度(独自作成)、聞こえのアクセシビリティ尺度(The SSQ12 Noble.W.2013)、自己・他者受容尺度(上村,2007),個人属性で構成する質問紙を作成し、全国大学の学生支援室部署担当者に、web無記名自記式質問紙調査の協力者への配布を依頼し、希望者にweb面接調査を行う準備が整った。②新生児聴覚スクリーニング検査後に難聴診断を受けた軽中等度難聴児の家族に対して、診断後の心理的変化と支援ニーズを検討することを目的に、発達経過、障害認識、養育などで構成する質問紙調査票を作成し、診療簿の後方視的資料に基づいて影響要因を検討する準備を行った。
本研究に基づいて、軽中等度難聴児と家族に対する幼児期の発達支援と、児童期・青年期への発達移行支援に関するガイドライン作成に関する協議・検討を行った。