江面 陽一

健康メディカル学部 作業療法学科教授
健康科学研究科 健康科学専攻教授
健康科学研究科 作業療法学専攻教授
Last Updated :2025/10/07

■研究者基本情報

学位

  • 医学博士, 東京医科歯科大学

研究キーワード

  • 骨疾患
  • 骨格発生
  • 骨代謝
  • 骨生理

研究分野

  • ライフサイエンス, 細胞生物学
  • ライフサイエンス, 医化学
  • ライフサイエンス, 解剖学
  • ライフサイエンス, 病態医化学
  • ライフサイエンス, 薬理学
  • ライフサイエンス, 整形外科学, 骨疾患学、骨代謝学、骨生理学

■経歴

経歴

  • 2021年04月 - 現在
    帝京平成大学, 健康メディカル学部, 教授
  • 2020年04月 - 現在
    東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科 医歯学専攻 生体支持組織学講座 運動器外科学分野, 非常勤講師
  • 2020年04月 - 2021年03月
    帝京大学, 医療技術学部, 教授
  • 2016年04月01日 - 2020年03月31日
    東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 准教授
  • 2006年03月01日 - 2016年03月31日
    東京医科歯科大学, 難治疾患研究所 先端分子医学研究部門 分子薬理学, 准教授
  • 2006年03月01日 - 2015年03月31日
    東京医科歯科大学, 硬組織疾患ゲノムセンター, 准教授
  • 2005年01月01日 - 2006年02月28日
    東京医科歯科大学, 難治疾患研究所 先端分子医学研究部門 分子薬理学, 講師
  • 2004年04月01日 - 2004年12月31日
    日本医科大学老人病研究所, 分子生物学部門, 講師
  • 2000年12月01日 - 2004年03月31日
    日本医科大学老人病研究所, 分子生物学部門, 助教
  • 1998年10月16日 - 2000年11月30日
    トーマス・ジェファーソン大学医学部, 病理・解剖・細胞生物学分野, 博士後研究員
  • 1998年04月01日 - 1998年10月15日
    タフツ大学医学部, 解剖細胞生物学分野, 博士後研究員

学歴

  • 1994年04月 - 1998年03月, 東京医科歯科大学, 医学系研究科
  • 1988年03月, 東京医科歯科大学, 医学部, 医学科

委員歴

  • 2013年04月 - 現在
    評議員, 日本骨代謝学会
  • 会員, 米国骨代謝学会
  • 会員, 日本人類遺伝学会
  • 会員, 日本整形外科学会

■研究活動情報

論文

MISC

書籍等出版物

  • 最新の骨粗鬆症学―骨粗鬆症の最新知見―(第2版)               
    江面陽一, 分担執筆, 骨折治癒の分子メカニズム
    日本臨床社, 2023年01月
  • 骨ペディア               
    野田政樹; 江面陽一, 分担執筆
    羊土社, 2015年05月
  • バイオ解析・診断技術のテーラーメイド医療への応用               
    江面陽一, 分担執筆, 骨粗鬆症
    シーエムシー出版, 2006年04月

講演・口頭発表等

  • Genetic and Molecular Bases of Osteolytic/Osteoporotic Disorders               
    Yoichi Ezura
    13th Congress of the International Society of Bone Morphometry (ISBM), 2015年04月28日, Masaki Noda, [招待有り]
  • メカニカルストレスに応じた骨代謝制御に関わる分子機構               
    江面陽一; 野田政樹ほか
    第36回日本分子生物学会年回, 2013年12月04日

所属学協会

  • 日本軟骨代謝学会               
  • 日本分子生物学会               
  • 米国骨代謝学会               
  • 日本老年医学会               
  • 日本人類遺伝学会               
  • 日本骨代謝学会               
  • 日本整形外科学会               

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 癌細胞由来分泌型FLRT2を介した口腔癌の浸潤・遠隔転移様式の解明
    基盤研究(C)
    琉球大学
    2023年04月 - 2026年03月
    口腔癌は早期に顎骨へ浸潤・骨転移を認めるが、癌細胞の骨基質内への浸潤部位の決定、進行がどのようになされるかは未だ完全には明らかにされていない。
    本研究では、新たに同定した破骨細胞分化に寄与する分泌型膜タンパク質Flrt2が口腔癌細胞および骨代謝細胞でどのように機能しているかを増殖・分化・遊走・浸潤能の解析によって調査する。さらに、共細胞培養実験とマウスへの細胞移植実験を用いて癌細胞と骨代謝細胞主に破骨細胞と骨芽細胞間のFlrt2を介した相互作用について検証する。それにより、癌の骨浸潤、転移マーカー及び分子標的治療薬の候補としての可能性を検討する。
    これまで、脈管浸潤の有無による癌細胞内のFlrt2の著明な発現増加、骨芽細胞株における増殖および分化の抑制、癌細胞株における増殖の促進が確認され、Flrt2が破骨細胞では促進的に、骨芽細胞では抑制的に作用すること、癌細胞では増殖に寄与することが示唆された。
    本年度は、研究者の勤務地と研究実施施設が異なったため積極的なin vitro実験は行えていない。他方で、臨床での検体採取を研究者自身が安定して行えるよう手術技術の研鑽および予後評価等の診断能力の向上に注力し、また、口腔腫瘍に関わる学会に参加することで現在の標準治療および最新の研究動向を確認した。令和6年度より勤務地および研究実施施設が共に変更になるため細胞資料の十分な確保および実験試薬の調整等に加え、それらの安全な輸送のため予算を割く必要があった。
    これらは、研究者自身が安定して研究を進めていくために必要な経験と知識であり、今後、人的なバイアスを除外するために必要であった。さらに、実質的な実験は行えていないものの安定的な細胞資料の確保および今後の研究計画の立案および必要試薬の整備を完了したことで次年度の移動後早期に研究を開始する準備を整えることができた。
  • 細胞骨格制御を基盤とした溶骨症治療の新戦略               
    基盤研究(C)
    2019年04月 - 2022年03月
  • 筋骨格系の異所性骨化症の発症分子機構の解明と治療法開発               
    基盤研究(C)
    2016年 - 2018年
  • 骨粗鬆症の病態制御へのIRISINと協調する新分子機構とエピジェネティクスの解明               
    挑戦的萌芽研究
    2016年 - 2017年
  • 骨形成の統合的メカニカルシグナル制御ネットワークの新分子機構               
    基盤研究(A)
    2014年 - 2017年
  • 組織再生医療に用いられる間葉系幹細胞の品質保証評価に有効な遺伝子発現の解析               
    基盤研究(C)
    2013年 - 2015年
  • 変形性関節症の治療を目指す間葉系幹細胞エピジェネティクスに関する分子生物学的解明
    基盤研究(C)
    東京医科歯科大学
    2010年 - 2012年
    再生医療に利用されるヒト間葉系幹細胞について、ケモカイン遺伝子SDF1(別名CXCL12)の上流に同定したメチル化変動部位は、サイレンサー領域として働くことが示された。網羅的なメチル化レベルの比較解析から、インビトロにおける間葉系幹細胞の分化誘導に伴うメチル化変動は極めて稀な現象であったが、生体内で長期の細胞履歴を反映する、異なる組織MSCにおいては再現性をもって多数の領域が、関節発生や軟骨細胞分化に重要な遺伝子座に示され、新たな研究課題が提示された。
  • BMPシグナル阻害因子Dullardの骨形成における役割の解明
    若手研究(B)
    東京医科歯科大学
    2009年 - 2010年
    骨形成因子(BMP)は、骨格形成において重要な役割を果たすが、そのシグナルレベルは負の制御因子によって適正に保持される。本研究においては、新たなBMPシグナル阻害因子であるDullardの骨形成における関与を明らかにした。Dullardは、細胞内の膜構造に局在し、骨芽細胞に発現し、少なくともBMPの細胞内情報伝達因子Smad1のレベルにおいてBMP シグナルを抑制する事を明らかにした。
  • 骨形成メカニズムとしてのニッチの分子的解明と治療への応用基盤の先端ナノサイエンス
    基盤研究(S)
    東京医科歯科大学
    2006年 - 2010年
    骨形成のメカニズムとして骨芽細胞の制御に関わる新たな因子を骨の微小環境に着目し、探索した結果、オステオポンチンやCIZ のごとく細胞の接着及びその転写の制御に関わる分子が副甲状腺ホルモンのシグナルと相互作用することを見出し、さらに骨形成の根幹的なサイトカインであるBMPの活性制御に関わるANA(Abundant in Neuroepithelium Area)及びCnot 7を見出し、加えて成熟骨芽細胞の分化を規定する因子群としてSchnurri-2が存在し閉経後骨粗鬆症のモデルにおいてもその欠失により骨量を保持することを発見した。これらの成熟骨芽細胞の遺伝子発現制御はメチル化を伴うエピジェネティクスにより制御されること、さらには神経系の制御とのリンクを司るメカニカルストレスと交感神経の両者に関わる分子群としてM-CSFやMCPが副甲状腺ホルモンの下流で機能することを見出した。これらのニッチに関わる分子の制御のメカニズムをさらに骨の再生治療に向けたナノテクノロジーに応用する新規の担体としてコレステロールプルランが低用量のBMPにも関わらず新たなプロステグランディンE2の受容体の内、骨芽細胞に特異的に発現するEP4のアゴニストの存在下では通常修復し得ない骨欠損を骨基質の充分な形成の下に回復し、そのメカニズムとして骨芽細胞の分化の指標としてのアルカリフォスフォターゼの発現をもたらすBMP Response Element(BRE)にターゲットを持つ転写によって推進されることを見出した。以上の結果は本研究の目的とする骨形成メカニズムとしてのニッチを分子的に解明すると共に、コレステロールプルランを主体とした治療への応用基盤のナノサイエンスの確立が遂行されたものである。
  • 悪性黒色腫の骨の転移のメカニズムの解明
    特定領域研究
    東京医科歯科大学
    2008年 - 2009年
    癌の進展においては細胞の接着、及びインテグリンからのシグナルによる細胞の生存、増殖さらには活性化した細胞からのサイトカインの発現により骨の場合には局所のマクロファージや前駆細胞の活性化からはじまる破骨細胞の分化とその活動性の亢進がおこる。このような一連の骨に転移させる活性の高い細胞における転移のメカニズムの解明を目的とし、悪性黒色腫のマウスB16細胞についての検討を行なった。マウスB16細胞の細胞接着とその形態を観察する目的で、まず、細胞における接着反分子の解析について検討した。その結果、細胞接着反のAdhesion Complexの分子群を構成するCIZの発現がB16細胞において確認された。この発現は細胞質にあるとともにまた細胞接着反においても認められた。この分子の接着とのかかわりが推察された。悪性黒色腫の中でも特に転移活性の高いB16F10の細胞とその親株であるB16における細胞の転移活性と接着との相関を検討するとCIZのレベルがB16F10細胞において親株のB16との大きな相違が認められ、この相関が細胞転移活性に関与することが示唆された。更に、癌細胞の骨への転移によって生じる、骨の破壊に関わる破骨細胞の制御について検討を行った。この結果、破骨細胞においてはDicerの特異的なカテプシンKcreに基づくノックアウトより骨量が増加すること、海綿骨の厚さの増加がみられることが明らかになった。この転移のおける破骨破壊をもたらず破骨細胞の分化のレベルの低下は細胞において内因性であり、コンディショナルノックアウトマウスの骨髄細胞の破骨細胞への分化も抑制が観察された。以上の研究成果は悪性黒色腫の骨への転移とその骨における腫瘍に基づく骨破壊の主たる細胞である破骨細胞のメカニズムを明らかにしたものであり、今後これらの分子を抑止する薬剤の探索など癌の転移に対する対策の基盤となる起点が確立された。
  • 間葉系細胞の骨・軟骨分化過程におけるDNAメチル化調節の解析
    基盤研究(C)
    東京医科歯科大学
    2007年 - 2008年
    様々な組織に存在して多分化能を示す間葉系幹細胞のうち、滑膜由来細胞は特に高い軟骨分化能を示す。このような由来組織に基づく間葉系幹細胞の性質の相違には、潜在的にエピジェネティックな相違の関与が推定されるが、間葉系幹細胞のゲノムDNAメチル化レベルについて、これまでには十分に検討されていなかった。我々は本学附属病院における膝関節手術により同意を得て採取された滑膜由来間葉系幹細胞を用いて、軟骨細胞への分化誘導をペレット培養法により行い、その前後におけるゲノムDNAのメチル化状態を検討するため、選別された候補遺伝子プロモーター領域についてメチル化候補領域の推定をおこない、それぞれについてバイサルファイトシーケンス法による解析を行った。その結果、骨・軟骨系細胞への分化制御を中心的に担うRUNX2およびOSX遺伝子やSOX9遺伝子などのプロモーター配列中に存在する富CpG領域における低メチル化状態は、軟骨細胞への分化誘導を行なっても明らかな変動を示さず安定的に維持されていた。また軟骨細胞への分化誘導過程において大きく発現増加する遺伝子群と、反対にほぼ完全に発現が抑制される遺伝子群におけるプロモーター領域について解析した結果、大半の遺伝子について分化誘導前後におけるメチル化状態は変動することなく安定していたが、唯一SDF1 遺伝子の上流約1kbの領域については軟骨細胞分化後にメチル化レベルは減少して、遺伝子発現の抑制とは逆説的な変動を示すことが判明した。このようなメチル化レベルの相違は成人関節軟骨の層別の相違としても同定することができた。滑膜由来間葉系幹細胞の軟骨細胞分化の過程においてゲノムDNAのメチル化変動は稀な現象であり、エピジェネティックな制御は比較的安定的であることが示されたが、稀なメチル化変動領域は候補遺伝子領域アプローチ法によっても同定可能であることが示された。
  • 非コラーゲン性骨基質蛋白オステオポンチンの細胞制御メカニズム
    特定領域研究
    東京医科歯科大学
    2006年 - 2007年
    オステオポンチンは細胞外基質(マトリックス)蛋白としてまたサイトカインとして機能するシグナルとして骨の制御における重要な役割を担う蛋白と考えられている。本年においてはオステオポンチンのマトリックス蛋白としての機能の解析を特に骨形成シグナルである副甲状腺ホルモンの受容体の制御とのクロストークについて解析した。副甲状腺ホルモンは骨量の増大のみでなく細胞外基質蛋白の相対量を変化させる。この結果、オステオポンチンの存在する場合には副甲状腺ホルモンの構成的変異を持った活性化型のヒト受容体を骨芽細胞で強制発現したマウスが高いレベルの海綿骨量の増加を示す。これに対してオステオポンチンが欠失したバックグラウンドで同じ副甲状腺ホルモンの構成的な活性化変異型の受容体を強制発現した場合には、その既に高いレベルの海綿骨量を更に増加させることが明らかとなった。このことは、オステオポンチンがマトリックス蛋白として機能することを考えた際にこれまでの骨の形質としての発現としての理解を超えるものであり、むしろ逆説的にこの分子が骨形成を抑制することを示すものである。この既に高い骨量レベルに至った副甲状腺ホルモン受容体の活性化変異によるシグナルを超えるオステオポンチンノックアウトによる骨形成は、多数の骨芽細胞の前駆細胞の増加を伴っていた。更に、骨髄における造血系の細胞はむしろ減少し、間葉系の細胞が骨髄を充満する特異的な所見が観察された。全身性の骨形成のパラメーターについてもあるいは局所的な骨形態計測学的なパラメーターのいずれにおいても、副甲状腺ホルモン受容体構成活性型受容体のトランスジェニックマウスを超えるレベルの骨形成が、オステオポンチンノックアウトの共存によって観察されている。細胞レベルにおいてサイクリックAMPレスポンスエレメント(CRE)の活性はPTHの受容体のシグナルによって増加するが、オステオポンチンのsiRNAによる低下によって更に増加することから、そのメカニズムが少なくとも一部は転写であることが推察された。以上の如く、本研究により、細胞外環境因子としてのマトリックス蛋白であるオステオポンチンの新たな機能が明らかとなった。
  • 蛋白ユビキチンリガーゼMurf1による骨と筋肉の廃用性萎縮における連関機構の解析
    萌芽研究
    東京医科歯科大学
    2006年 - 2006年
    廃用性骨萎縮は力の加わらなくなった骨において、若齢者も、あるいは高齢者においても急激な骨の量の減少として観察される。一方筋肉においても同様に廃用性の筋萎縮が起こることが知られている。これまで筋肉に受ける萎縮と骨における萎縮においては、必ずしも同一の観点からの解析がなされていない。これは、筋肉が細胞を主とするものであるのに対し、骨の場合には基質のリモデリングのバランスの乱れによるものであることから、概念的に別の事象とされてきたが、この観点の検証を行った。具体的には、Murf-1分子がE3型ユビキチンリガーゼであり、筋肉に関連する萎縮の責任分子とされていることから、骨におけるこの意義を検討した。メカニカル刺激の除去のもたらす廃用性骨萎縮をモデルとして、野生型ならびにMurf-1のノックアウトマウスの尾部懸垂を行った。この後にマイクロCTを行い、3次元的な解析を行って骨量(BV/TV)および、骨量の形態的な変化を検討した。特に屠殺の4日前および2日前にカルセインを投与し、動的なパラメーターとして石灰化速度、ならびに骨形成速度を検索した。さらに、破骨細胞の形態的な解析を行うために酒石酸耐性酸性フォスファターゼ(TRAP)の陽性の細胞を定量的に観察した。これらの検討の結果、Murf-1のノックアウトマウスにおいては骨の減少が、野生型に比べて抑制されていた。今日明らかにした骨代謝の動態におけるMurf-1欠失の影響の存在は、これまで筋肉の細胞内タンパクの分解の観点から捉えられていた萎縮のメカニズムの他に、骨芽細胞ならびに破骨細胞のバランスに関する本分子の新たな側面を明らかにし、これらのマトリックス分子の制御に関わる細胞ならびに転写因子の関与、さらには細胞レベルでの解析が達成された。
  • 四肢の発生における骨・軟骨制御因子の役割の解明
    特定領域研究
    東京医科歯科大学
    2004年 - 2005年
    本研究の目的は、CIZの発生における骨・軟骨制御因子の役割の解明に向けてBMPの修飾因子の機能を解明することである。四肢の形態の決定には前後軸、遠近軸、さらには背腹軸を決定する分子が存在するが、特に腹側の決定に関わる分子にBMPが挙げられる。BMPはこれまで、Noggin、コルディン、セルブルス、ダンなどの細胞外での抑止分子や細胞内でのSmad6、Smad7などが知られていた。本研究においては、細胞接着斑に存在しまた転写機能も持つCIZがBMPの生体内における抑止分子として働くことを以下のごとく明らかにした。CIZのノックアウトマウスにおいては、マイクロCTによる解析に基づいた海綿骨の形態の解析により骨量の増加が明らかになった。また長管骨の骨間患部においても、あるいは脊椎骨の椎体においてもこの骨量増加は観察された。ノックアウトマウスの骨芽細胞のアルカリフォスファターゼの定常状態のレベルは野生型よりも高く、またBMP存在下での骨芽細胞の分化レベルも高まっていることが見出された。さらに、BMPの直接投与に対する骨形成の統制を観察すると、CIZノックアウトマウスにおいて形成骨が優位に大きく、したがって生体内においてBMPのシグナルがCIZによって抑制されていることが判明した。以上のごとく、CIZは新たなBMPの抑止分子であり、BMPの応答配列であるGCCGを持つルシフェラーゼの活性に対する検討からCIZが直接的に転写に関わることが示された。このような分子が、骨の形態の決定に際し特に海綿骨系の形態形成の成体における主要な役割を持つことが推察された。
  • 体系的遺伝子多型の探索と連鎖不平衡解析に基づく骨粗鬆症の感受性遺伝子の同定と解析
    基盤研究(B)
    2003年 - 2004年
    本研究計画は、我々が従来から行、ってきた骨組鬆症における網羅的な単塩基多型(SNP)を用いた相関解析による感受性遺伝子多型の固定の試みと並行して、その成果を効率化させるための人口遺伝学的。な情報収集と解析評価を行うものであった。網羅的なSNP相関解析の解析SNP数は、本研究期間中に5千種類に達したが、この中から選ばれた有意相関遺伝子座について連鎖不平衡の解析を行った。解析した12遺伝子座、すなわちビタミンD結合蛋白遺伝子(DBP)、インターロイキン1受容体随伴キナーゼ遺伝子(IRAK1)、腫瘍壊死因子活性化因子結合蛋白遺伝子(I-TRAF)、ゴナドトロピン遊離ホルモン遺伝子(GnRH)、下垂体グルタミンペプチド環状化酵素遺伝子(QPCT)、低比重リポ蛋白受容体関連蛋白5遺伝子(LRP5)、プロオピオメラソコルチン遺伝子(POMC)、白血病阻止性因子受容体遺伝子(LIFR)、アデューシン1遺伝子(ADD1)、骨形成性蛋白8遺伝子(BMP8)、熱ショック70Kd蛋白-1A遺伝子(HSPAIA)、破骨細胞随伴受容体遺伝子(OSCAR)は、先に行ったSNP相関解析で骨密度との有意相 関を示したマーカー多型をもつ遺伝子座であるが、これらの領域内で数個から40数個までの遺伝子多型マーカーを、公的データベースから抽出・選別し、遺伝子座領域における連鎖不平衡の状態を、EMアルゴリズムによるハプロタイプ予測と連鎖不平衡の指標となるD'およびr^2値の評価により判定した。遺伝子座によってはその領域を超えた隣接遺伝子座までの遺伝子多型を追加して解析し、それらの結果から連鎖不平衡の広がりをブロックとして判定するとともに、SNP相関解析の再現性の検定に役立つハプロタイプを決定する代表SNPを、各ブロックから選別した。BMP8遺伝子座においては、重複遺伝子の存在により、遺伝子多型の判定は困難であったが、8キロ塩基対に及ぶ遺伝子座DNAのPCR増幅によるジェノタイピング法を設定した。LRP5遺伝子座については140キロ塩基対におよぶ遺伝子座全長から40個以上のSNPを選んで解析し、二つの明瞭な連鎖不平衡ブロックを固定した。骨組鬆症の発症素因の判定基準となる補正骨密度値との相関解析を独立2群で行うと、スクリーニングにおいて示された、各ブロック内に位置する異なる相関ミスセンス多型のうち、一方のブロック内ハプロタイプにおいてのみ、両対象群で共に有意な相関が示された。
  • レトロトランスポゾンLine1遺伝子群の骨格系分化過程における機能に関する研究               
    基盤研究(C)
  • 腱・靭帯細胞の骨化制御の解明とアデノシン経路に着目した治療法開発               
    基盤研究(C)
  • フレイル・サルコペニア関連状態における骨細胞の活性酸素因子Poldip2の意義               
    基盤研究(C)
  • 関節拘縮発生におけるメカノセンシングシグナルの機能解析に関する研究               
    基盤研究(B)
  • 腱・靱帯を見分けるmolecular signatureの探索               
    挑戦的萌芽研究
  • 細胞凝集形成を介した間葉系幹細胞分化開始メカニズムの解明               
    基盤研究(C)
  • アネキシンA5の中枢と末梢における機能とAAV投与による遺伝子治療への展開               
    基盤研究(C)
  • 身体不活動で生じる炎症を介する運動器障害とその救済の分子機構               
    基盤研究(A)

■大学教育・資格等情報

主な担当授業科目名

  • リハビリテーション医学

資格、免許

  • 1988年05月01日
    医師国家試験免許
  • 1996年02月01日
    日本整形外科学会認定医(現専門医)